とかる狩人の戦い
M・H様作







第一話「無慈悲な狩人」


「依頼はバザルモスの討伐・・もしくは捕獲だったな。」
その男は全身グラビモス装備に特大へビィボウガンを背負っていた。
背は185cm程の体格の細い青年だ。
彼が支給箱をあさっているとある事に気が付いた。
「クーラードリンクと応急薬が無い・・・依頼が重なったか?」
彼は依頼書を確認すると、サブターゲットの一つにハンターの救出と合った。
彼は携帯食料とクーラードリンクを一緒に腹の中に押し込んでからキャンプを出発した。
「とりあえず・・・こいつらを掃除してから火山の麓に行ってみるか。」
キャンプを出発してすぐにイーオスの群れに会ってしまった、数は30頭に加え親玉のドスイーオスまで居た。
ドスイーオスの鳴き声に反応して、イーオスの意識は彼に集中した。さすがに熟練のハンターでもこの数は苦戦を強いられるのだが、彼は背中の特大ボウガンに弾を装填して、襲い掛かってくるイーオスの群れに銃口を向け引き金を引いた。
超小型貫通弾を散弾の広範囲に一気に発射する配合弾【貫散弾】が30頭のイーオスとドスイーオスの体の各部を貫いていく、何頭かは避けれたが彼は容赦無く次弾を発射し、イーオスを全滅させた。
ドスイーオスはもう立つことすら出来ないのだが、彼は銃口を向けて引き金を引いた。ドスイーオスの体は穴だらけになった。
「残り57個・・・十分だな・・」
彼はイーオス達を剥ぎ取る事もせず、ただ歩いて行った。その壁や死体には夥しい量の弾の跡が残り、辺りは血の池が出来ていた。

彼が麓に着くと、一人のハンターがバザルモスに劣勢に追い込まれていた。
ハンターは全身バザルモスの鎧にガンランスで戦ったいたが強力な回転を加えた尻尾に吹っ飛ばされ岩壁に叩きつけられ気絶した。
「おいおい・・・サブはあいつの救出なのか・・でもやるしかねぇ!」
彼は角笛を吹いてバザルモスの注意を自分に向けた。
バザルモスは彼に向かって突撃してきたが背中に一発の弾丸が刺さり、連続して爆発が起きた。
彼の放った一度相手に刺さり少しして子爆弾を散布する調合弾【炸裂榴弾】が一気に甲殻を砕いたのだ。
「皮膚が見えたらこいつが良く効くんだ。」
バザルモスの突撃を次弾を装填しながら回避するという荒業をやってのけ、相手の後ろに回った彼は相手の皮膚に狙いを定めて撃った。
突進を終えて止まったバザルモスの背中の皮膚が一気に溶けた。
相手の臓器や甲殻を溶かす恐怖の調合弾【強酸弾】の力でバザルモスは悶え苦しんでいた。
「痛みで俺は無視という訳か・・・ならすぐに終わらせてやる!」
彼はボウガンに一発の弾丸を装填して、狙いを定める。引き金を引いた瞬間に10cm程反動で下がってしまった。
放たれた弾丸は凄まじい速度でバザルモスの頭部に直撃した、その瞬間に青い雷と黒い雷がバザルモスの全身を駆け抜け、動きが止まり、静かに地面に沈んだ。
調合弾【双雷】は発射すると銃身が異常なまでに加熱するため、彼のボウガンは放熱する為に二つに折り曲げて背負われていた。
またも彼は剥ぎ取りをせずに、気絶しているハンターのところへ行った。
「おい起きろ!起きんと暑さで死ぬぞ!」
ハンターが気が付いたみたいだか、その眼は彼とバザルモスを交互に見ていた。
「貴方が倒したの?私の獲物だったのに?」
「そんな事俺が知るか!先に狩った方の物だ。」
「貴方・・・名前は?」
どうやらこのハンターは女性らしいのだが、ずいぶん冷静で彼に怒鳴り散らすなどの事をせずに静かに立った。
「俺か・・・俺の名前はハデスだ!」
「今度村に来ることになっていたハンターは貴方だったのね・・・」
ハデスはバザルモスの方に剥ぎ取り用ナイフを持って歩いて行った。
「おい!剥ぎ取りを手伝ってくれ・・・・」
女ハンターもナイフを持って行き剥ぎ取りを済ませてから二人で村に戻った。

第二話「白龍降臨」


『主・・・主!』
「なんだ?”ソル”」
主と呼ばれた男ハンターは”ディオマース”と呼ばれる特製シリーズに一対の大剣”メーネ”を装備していた。
『何やら思い出に浸っていたようで・・・』
”ソル”と呼ばれた竜は幻の銀火竜「リオソル」でしかも人語を喋っている。
「”彼”に初めて会った時の事を思い出してな・・・」
「”彼”には本当にお世話になったから・・・」
『起きておられたのですか・・・』
「ええ・・・すこし前にね。」
起きた女ハンターは”クシャル”シリーズに超大型ボウガン”トリス=ダオラ”を背負っている。
「懐かしいわね・・・もう三年前になるのかな。」

三年前
「全く!あの村長は人使いが荒いわね、本当に!」
「ファル!たかがゲリョス程度だろ?」
「あんたにとってはたかがでしょうね!」
ファルと呼ばれた女ハンターは、身長165cmに”バザルモス”シリーズの鎧に身を固め、スティールガンランスを装備している。
「ハデス!ゲリョスは今どの辺!」
ハデスと呼ばれた男ハンターは、身長180cmに”グラビモス”シリーズの鎧に身を固め、超大型ボウガンバスターガンを装備している。
「それが妙なんだ・・・ゲリョスの匂いがしない。」
「それだったら・・・この沼地に雨が降らない方がおかしいわよ!」
この地方の沼地は絶えず雨が降る事で有名なのだが、雨が降ってないのでファルがさっきから警戒していた。
「何だこの匂い、初めて匂うのと・・・ゲリョスの匂いが混じってる。」
「千里眼の薬の効果が切れる前にその場所に行くわよ!」
ハデスがその場所まで一気に走った。
到着した時、そこには息絶えたゲリョスとそれを捕食している”純白の龍”がいた。
全身の甲殻はフルフルの白さとは違う白さで、2本の脚で大地に立ち、発達した2本の腕を持ち、大空を飛ぶ為の巨大な翼を持ち、頭部にはゲリョスの返り血を浴びている純白の角を生やしていた。
『人間か・・・・そこで何をしている。』
物陰に隠れていた二人に勘付いた”龍”は人語を喋った。
(どうすんのよ?)
(人語が通じるのなら・・・このまま事情を話して逃げよう。)
ハデスとファルは物陰から姿を現わした。
『一体何用でここにいる・・・』
「俺達はそのゲリョスを討伐する為に来たハンターだ。」
『この私の姿を見て、そこまで堂々と居れたのはお前だけだ。』
(ハデス!大丈夫なの!)
(下手したら、ファルだけでも逃げろ!)
『狩人よ・・・・私と一戦交えてくれないか。』
ハデスとファルは驚いた、自分から戦ってくれと言って来たのだから。
「たとえ私達が負けても・・・殺さないわよね?」
『一興に過ぎから、殺しはしない・・・戦ってくれるか?』
ハデスは背負っていたバスターガンのバレルを展開し弾丸を装填する、ファルもガンランスを展開し弾丸を装填する。
『では始めよう!我らの一興を!』
”白龍”の全身に白い雷が纏われ、同時に体の各部に火花が散った。
【貫散弾】が直撃したにもかかわらず、弾丸は貫く所か甲殻に全て弾かれた、ファルの竜撃砲も全く効果が無かった。
[硬い!貫散弾が通じないとなると・・・]
【貫散弾】の弾丸を全て銃身から排除し、【撃通弾】を装填し銃口を白龍に向ける。
『遅い!』
白龍の尾の攻撃を喰らい、活躍する事無くアイール達にキャンプに連れ帰られるファル。
ハデスの方を向いた瞬間、片目を何かが貫いた。
ハデスの【撃通弾】が相手の片目を貫き、既に二発目が放たれ今度は左肩を貫いた。
『私の甲殻を貫く弾丸か!これ以上は撃たせん!』
白龍の角から電撃が放たれるが、ハデスはそれを紙一重に避け今度は頭部の角めがけて発射する。
『楽しい!楽しいぞ!狩人よ名は!』
「ハデスだ!その角をへし折ってやる!」
バスターガンから【撃震】が発射され、体勢の悪かったハデスは反動で後ろに吹っ飛んだ、【撃震】は白龍の角に当たり根元から折った。
『私の勝ちのようだな!』
白龍の頭部再び白雷が放たれ、ハデスを直撃した。
ハデスの鎧は砕け、バスターガンも壊れたがハデスは何とか無事だった。
『私の角を折ったのは貴殿が初めてだ!だから記念に譲ろう。』
「殺さないのか?」
『言ったであろう、一興に過ぎんとではまた会おう、今度は私を殺せる位に!』
そう言って白龍は大空へ飛んで行った。
その後ハデスはファルに助けられ村に戻り事情を説明した。
そして、白龍の角から作り出された一対の大剣”メーネ”を装備するハデス。
槍が折れてしまい、無茶苦茶な言い分でバスターガンを装備するファル。。
これから二人は[打倒”白龍”]を誓い、狩りを続け三年後の今にいたる。

『主!見えました街です』
「ドンドルマか・・・・凄腕のハンターがいっぱい居るんでしょうね。」
「”ソル”!街まで飛ばせーーー!」
 ”ソル”が咆哮し、街まで一気に飛んでいく。
                 第二話完


第三話「過去の記憶」


「やっぱり私達目立つわよね・・・・」
街に下りたのは良いが、二人はとにかく目立っていた。
「古龍装備のハンターが無名じゃおかしいだろ。」
ハデスの装備は
”ディオマースシリーズ”と呼ばれるオーダーメイドの特製品だ。
各古龍の素材をふんだんに使った防具で故に”ディオマース”の名になった。
(ディオマースとは西洋の言葉で”戦神”と言う意味)
”メーネ”
最近確認され始めた戦を欲する”白龍・ファーブニル”の一角を用いて作られた大剣。
ハデスの要望で二本に分離させれる用に加工されている。
左手に持つ純白の剣”白夜”・右手に持つ漆黒の剣”常夜”は一本の大剣にすると白銀の”メーネリオン”になる。
(ファーブニルとは北欧神話で登場する人語を発する強欲な龍の名前)
ファルの装備は
”クシャルシリーズ”と呼ばれる古龍装備で”風翔龍クシャルダオラ”の素材のみを使った防具で莫大な資金と素材を伴う装備だ。
”トリス=ダオラ”
ハデスのバスターガンのクシャルバージョンで、外見の割には軽量で女性でも充分に扱える用に加工のされた武器だ。
「悪かったわね無名で!そう言う貴方には”二つの名”でもあったの!」
その質問に対して、ハデスは何かに対する憎しみを抱いてる様子だった。
『御二方、何者かが来ます!』
そう教えてくれたのは銀の火竜”ソル”だ。
二人が戦ってハデスが屈服させた竜で”シルバーソル”と恐れられる竜で人語はなぜか覚えてしまった。
群がる民衆やハンターを掻き分けて来たのは、20人程のギルドナイツと一人の老人だった。
「ナイツ達が何の用だ・・・それと老人もだ。」
すると一人のナイツが怒った口調で説明した。
「何処の田舎者かは知らんが、このお方はこの一帯を統治しているお方だぞ!」
だか老人は気にせず静かに話し始めた。
「御二方・・・名前は何と言うのですか?」
「アタシはファル・・・ファル=クレイです、こっちはハデスって言うんです。」
ハデスの名前を聞いた途端、周囲の人間からざわめきが起きたがすぐに静まった。
(なんであんたの名前言った途端にざわめいたのかしら?)
(有名な奴と同じ名前が居るからじゃないかな。)
「さて、わし自ら赴いたのには理由があります・・・それ程の腕前を持つ御二方にある事をお頼みしたいからなのです。」
すると一人の女ナイツが紙を見せてきた。
[ここ最近突然現れた火竜の番、この番は街の貿易道の傍の山に縄張りを張り、近ずく者を容赦無く襲ってくるのです。一体どうしたらあそこまで殺気立つかは知りませんが、このままでは物資の運送が出来ません、どうかお早い討伐を願います・・・]
「如何する?」
ファルと”ソル”はすぐに行く事を決定した。
行く事を伝えると老人は喜んだ。
「実は・・・もう一つお頼みしたい事が。」
「なんですか?」
するといつの間にか紙を渡したナイツとその傍に一人の女ハンターがいた。
「私の名前はリュールリエ=オーリルと言う名前なのよろしく・・・」
二十歳のスタイル抜群の美人で身長は170cmの女性で白い髪を肩まで伸ばし、その眼は透き通る様な蒼色をしている。
防具は
”リオハートシリーズ”と呼ばれ、桜火竜の素材を使った防具で相当の実力の持ち主である事がわかる。
武器は
”ギルドナイトセーバー”と呼ばれるナイツ達が持つ双剣で最強の物だ。
「僕の名前はファルシス=リュオ!よろしく!」
17歳の女の子でこの年でレイアの討伐できるのは才能のある証にも等しい。
身長は160cmのスタイルまあまあで緑の髪のショートに緑の眼をしている。
防具は
”リオレイアシリーズ”と呼ばれ、雌火竜の素材を使った防具で一人前の証である。
武器は
”グーングニル”と呼ばれ、ヴァルハラの改良型でバザルモスの甲殻すら貫く名槍だ。
(グーングニルとは北欧神話最強の戦神”オーディーン”の愛槍の名前)
(ヴァルハラとは北欧神話で登場する戦士の集う地の事)
「その二人をご同行させて欲しいのですが・・・・」
(如何するの?)
(腕は確か見たいだから良しだろう。)
(主が仰られるなら従うまでです。)
(すまんな・・・)
二人と一頭が了解が出ると老人は喜んだ。
「出発は明日・・・それまでは自由行動と言う事で。」
「弾薬!弾薬!だーーーーんやくーーーー!」
ハンター登録を済ませたファルは弾薬購入に向かった。
「ハデスさん!この竜と話して良いですか!」
リュオは人語を話せる”ソル”と話がっていた。
「”ソル”しっかり相手する様に・・・」
『何を話しますか?リュオ殿。』
ハデスは一人と一頭を見ていたら、リューが話し掛けてきた。
「ハデスさん・・・もしかして貴方は・・」
「懐かしいなリュー・・・すっかり美人になったな。」
兜越しの笑顔、その顔に右眼は存在してなかった。有ったのは銀色の眼だった。
「ハー君・・・いや【龍滅の銀魔眼】生きてたんだ・・・」
「忌々しく、捨てた称号だ。」
【龍滅の銀魔眼】
ハデスの二つの名で黒ディアブロスの番と茶色のディアブロスの番をたった一人で討伐した時に付けられたのだが、この称号の由来はハデスがディアブロスを銀色の眼で怯えさせた事から付けられた物だ。
”ソル”もその眼に屈服してしまったのである。
「村の皆心配したのよ、貴方が失踪した時・・・本当に心配したんだから!」
「俺は化け物なんだ!だから俺はその自分を捨てたんだ!」
拳は強く握られ、銀色の眼には怒りが篭っていた。
「今の俺はあの頃の俺じゃない!・・・飯奢るよ。」
「ありがとう・・・・」
二人は静かに酒場に向かった。
               第三話完

第四話 「英雄と実力」


「此処は涼しいな・・・・」
ハデス達は街長の依頼で火竜の討伐に来ていた。
「此処はちょっと微妙な位置に有って春夏は牙竜種が、秋冬には牙獣種が巣くってるの・・・あとねぇ・・・・・」
ハデスはちゃんと下調べしたつもりだったが、リュオの懐から取り出された書物には狩場の詳しい情報がまとめられていた。
「リュオちゃん、よく竜が巣を作っている場所とこの時期に良く居る奴を教えて。」
ファルの質問にリュオはページをめくって答え始めた。
「必要な物は納めたと・・・皆行きましょうか。」
「”ソル”はキャンプの護衛と呼び出されてもすぐ来れるように。」
『承知しました・・・御武運を・・・』
各自が準備を済ませ、リュオの情報の元その場に出発した。
出発して三十分・・・四人は厄介な現場に居た。
30数頭の白いランポスに加え、白いドスランポス2頭の群れに遭遇していた。
「厄介な奴等に遭ったわね・・・」
「早めに掃除しないとレウスが来ちゃうよ!」
既に戦い始めた三人だが、ハデスだけは戦っていなかった。
「ハデス!いくら相手がランポスだからって、何で戦ってくれないの!」
(弾丸確認・・・目標ランポス13にドスが2・・・五分あれば充分か。)
「掃討開始!」
英雄と言われた男の動きがそこに有った。
使っていたのは”メーネ”では無く、二つのへビィボウガンだった、
左から飛び掛ってきたドスランポスの胴体を左のS・アルバレストの散弾Lv2が貫き、体勢を崩した所に容赦無く右のエトワールの手甲榴弾Lv3が発射され着弾したドスランポスの頭部を吹き飛ばす。
相方が討たれた事を知ったもう一頭配下とはハデスに飛び掛るが、それもまた散弾に防がれ少し体勢を崩し供に飛び掛った配下が全滅したが生きていた。
少し油断した所にハデスのボウガンがランポスごと後ろの岩壁に叩き付け、エトワールによる零距離による手甲弾の攻撃に爆散する。
親玉が討たれた事を知ったランポス達は素直に逃げて行った。
「新弾装填・・・掃討終了。」
鎧に凄まじい返り血を浴びながら弾丸を装填するハデス、リューを除く他の者は二丁のへビィボウガンを同時に操る事とドスランポス二頭を瞬殺するハデスに驚いていた。
「馬鹿!何で剣じゃ無いのよ・・・それになんでボウガンなの!」
「空飛ばれると手出しできないだろ?それに”メーネ”は”ソル”積んである。」
リューとハデスが口喧嘩していると風を切る音がし、気高い二つの咆哮がした。
「二人とも!喧嘩してる場合じゃないわよ!」
「二頭まとめて来たみたいだよ!」
だが空の二頭ではなく、”一つの体に二つの首を生やした竜”だった。
「何なのコイツ!レウスとレイアの首を生やした竜!」
初めて確認される双頭竜、だが四人は怯む事無く攻撃を始めた。
だが相手も一筋縄では行かない相手だった、二つの顔を持つ分の視野と連携の合った攻撃をして来る為、リューとリュオは接近できずにいた。
「ハデスさん!思ったより手強いですよ”こいつ”!」
「もう少し耐えてくれ!」
(さっき呼んだが速く来てくれ”ソル”!)
「皆!奴が麻痺したから畳み掛けて!」
ファルが撃ち続けた【麻毒弾】により双頭竜は麻痺し一気に攻撃する四人。
「騎神乱舞!解体するのは脚かしら?」
「鋼を貫く!神突!」
リューの乱舞により脚に重傷を負い、リュオの突きで体に一筋の穴が開いてしまった双頭竜は空へと飛び去る。
「こんな時に限って何で故障するのよ!」
よりにもよってこんな時に二人ともバレルに故障が起きてしまい、全員が逃げられると思った瞬間に火球が双頭竜に直撃し、地面に落とした。
『主!皆さん!遅くなりました!』
「ナイスタイミングだ”ソル”!”メーネ”を俺に!」
地面に着地した”ソル”の背から一対の剣を取り、ボウガンをその場に捨てるハデス。
「皆、援護頼む!」
全員が返事をし、行動を始めた。
空に飛ぼうとする双頭竜を”ソル”とファルが地に押さえつけ、閃光弾を使って隙を作り片方の頭に攻撃し切り落とすリューとリュオ。
ハデスはもう片方の頭に突撃するが火球が直撃しながらも”メーネリオン”を振って頭を一刀両断をする。
両方の頭を切り落とされ双頭竜は絶命した。
「新種の竜の素材が剥ぎ取れます!」
「全部剥ぎ取っちゃいましょうか。」
「ハー君!私達はこっちを剥ぎ取りましょう!」
「ああ!判った!”ソル”何か有ったら知らせろ!」
『承知しました!』
(白いドスランポスに双頭竜・・・・どうなってんだ?)
(ハデス・・・あんたは本当に人間なの!)
(ハデスさん・・・凄い人だな!。)
(ハー君・・・やっぱり戦い方代わってないわね。)
ハデスの心には起こり始めた変調に対する疑心が。
リュオの心にはハデスに対する尊敬が。
リューの心にはハデスに対する消えかけていた思いが。
そしてファルの心にはハデスに対する恐怖心が生まれ始めていた。
         四話完


第五話 「旅立ちと出会い」


夜のドンドルマの酒場は珍しく静かだった。
双頭竜の一件から数ヶ月が経ち、街からはハンターの姿が少なくなった。
誰もが双頭竜や白龍の捜索に出ているからだ、その所為で酒場は赤字すれすれの運営に困っていた。
そんな酒場に三人のハンターがいた。
「あんな戦い方ができるハデスさんって本当に凄い人ですよね!」
リュオはハデスの戦い方を尊敬していた。
敵の攻撃を恐れず、その身を持って仲間を守る戦い方に尊敬していた。
するとファルがそれを否定した。
「リュオちゃん!本当にそう思う!あれは人じゃ無い!化け物なのよ!」
ファルがそう思うのは無理も無かった。
バザルモスの火炎液やリオレウスの火球に恐れる事無く突っ込み、敵に致命打を与える方法は、どんなベテランでもする事はまず無い。
「ハデスは化け物なのよ!だから・・・・」
その言葉がリューの逆燐に触れた。
「貴方に何が判るの!ハー君の事を何も知らない貴方が!」
「じゃあ、アイツの事を教えてよ!あの化け物の事をね!!」
そしてリューはハデスの事を説明し始めた。
「ハー君は家族も友達もいない孤児だった・・・病気で暑さ・寒さ・痛みを感じる事も無い、右眼も病気で無くした!11歳の頃には一人でドスランポスを討伐できるようになっていた・・・・・」
しばらくの間、リューの知る限りの事を話した。
一方ハデスは”ソル”と話していた。
『本当に行くのですか・・・・』
「ああ・・化け物は居ちゃあいけないんだ、紅玉と逆燐・・・貰って行くな。」
ハデスの手にある小瓶には【銀火竜の逆燐】があり、右眼には特殊な加工を施した眼球程の大きさの紅玉が有った。
『せめて皆さんに別れを言った方が良いのでは・・・』
それに対してハデスは首を横に振り、街の正門へ静かに歩いて行った。
「じゃな”ソル”王族の人達に可愛がってもらえ。」
黒いディアブロスの甲殻で偽装した”ディオマース”に一本の大剣”メーネリオン”と荷物を背負って街から出て行ったハデス。
「紅い満月・・化け物の出発にはお似合いか・・・」
リュー達がハデスの旅立ちを知るのはこの翌日だった。

出発して一週間が経ち、海岸沿いの密林でハデスは窮地に陥っていた。
「19頭目!クソ!数が多すぎる!!」
”メーネリオン”で突撃して来たブルファンゴを切り倒すが後ろからドスファンゴに奇襲され2m程吹き飛ばされる。
「赤いドスファンゴだ・・・・と!」
鎧は傷が少し入った程度だか、体力の限界が来ていた。
「白龍にも遭って無いのに・・・此処までなのか。」
諦めかけたその時、赤いドスファンゴの頭部に十数本の矢が刺さり絶命させた。
「おいお前!無事か?」
「だっ大丈夫ですか!早く手当てを!」
「俺が剥ぎ取るから!お前ら早くその人連れて行け!!」
一人目はオールハンター装備にハンターボウを装備した黒い眼の少女に・二人目もハンター装備にハンターボウに黒い眼をして・三人目はオールバトル装備にハンターボウに片目に眼帯をしている赤い眼の少年だった。
(猪に負けるなんて恥だ。)
(眼帯と瓶を守らないと、ばれればきっと無理矢理取られる。)
「兄貴急いで!!」
「頑張ってください!すぐに私達の村で看病しますから。」
「遅くなった!すぐに船を出せ!猪どもが来るぞ!!」
船を海岸から出発させてしばらくして、海岸はファンゴでいっぱいになった。
そして武器と全身を鮮血に染めたハデスは三人の村に連れて行かれる。
          五話完


第六話 「新たな友と青怪鳥」


船に乗って半日でハデスは彼らの村に着いた。
そしてハデスは周りを驚かす物凄い勢いで飯を食べていた。
「窮地から助けてくれた上に飯まで食わせてもらって済まんな。」
「いやいや・・御主ほどの腕の持ち主がブルファンゴの気を引いてたお陰でこの未熟者三人がドスファンゴを狩れたのよ。」
この村の村長はとても気の良い人で、絶対に顔を見せないハデスを信頼してくれた。
「んだと糞爺!!この俺トール=ボルトが未熟だって言うのかよ!」
身長は160cmに17歳の肩まで伸ばした黒髪に黒眼のオールハンターの女の子だ。
「姉さん!お客さんの前ですし・・後私はヘル=ボルトって言うんです。」
身長は160cmに16歳のショートの黒髪に黒眼のオールハンターの女の子だ。
「俺の名はブラット=ボルト・・それにしても黒いディアブロスの鎧か・・本当に凄いなあんた・・・」
身長は175cmに18歳の肩まで伸ばした黒髪に赤い眼のオールバトルの男だった。
「なぁ村長・・そろそろ飛竜を狩らせてくれよ!」
「イャンクックが暴れているが・・しかしのぉ・・・・」
村長が悩んでいるとハデスが提案した。
「飯を食わせて貰ったお礼だ・・自分も同行しよう、それなら大丈夫だろう。」
村長は喜んだが一人のハンターが割り込んで来た。
「ちょっと待て・・どこぞの馬の骨とも判らん奴に任せらるか!」
そのハンターはゴーレムブレイドに少し変な形のレウスの鎧を着けていた。
「御主も判る筈じゃ・・この者はディアブロスすら狩る腕じゃ信頼できる。」
「いつまでの自分天下だと思うんじゃないんだよ!!」
「この糞餓鬼がっ!」
「失せろ!屑か!」
トールの言葉が癪だったのか、彼は武器に手輪掛け様としたが、竜すら威圧するハデスの眼に完全に負けた。
「決まりだな!ブラット・トール・ヘル!三人ともよろしく頼む!」
「ハデス・・よろしく頼む!」
「頑張ろうぜ!」
「よろしくお願いします。」

馬車に乗ってしばらくして、目的地の密林に着いた。
キャンプで支給品を取った四人は武器の調整をしてから出発した。
出発して10分でイャンクックに遭った、だが青色だった。
「ハデスはそこで見ててくれないか?」
ブラットの提案に少し驚いたが、ハデスは了承した。
「トール・ヘル、行くぞ!」
イャンクックがこっちにきずいた直後、ヘルが閃光弾を投げて眼を眩ました。
眩んだ所に毒瓶と麻痺瓶と強撃瓶を装填した矢がイャンクックに叩き込まれていく、イャンクックは麻痺しながら毒で確実に体力が減っている。
(かなりの連携だ、この分ならすぐに終わるだろう・・)
「これで決める!喰らいな鳥もどき!」
トールがとどめを刺そうとすると、麻痺が解けイャンクックの口からは火が漏れていた。
「姉さん避けて!」
飛竜と対峙する者に必ず訪れる、恐怖から訪れる硬直に囚われいた。
(私は・・ここで死ぬの!)
その時ハデスが大剣を盾にして庇った。
「無事か?勇気があるのは認めるが・・絶対に死ぬな。」
ハデスはイャンクックを眼圧し、動きの止まった所に大剣で片翼を切り落としバランスの崩れたイャンクックの頭部を切り落とした。
三人は唖然していたがハデスは無事な甲殻など剥ぎ取っていた。
「手伝ってくれないか・・」
三人も手伝ったお陰で剥ぎ取りは終わり、三人は村に帰る馬車に乗っていた。
「さっきは助けてくれて有り難う・・・」
「村長さんと約束したからな・・それに目の前で仲間を失うのはやだからな。」
「本当に有り難う。」
「気にするな・・・」
トールとハデスの会話を聞きながらブラットは飛竜を討ち取った事よりも、妹が男と仲良さそうに話しているのが気になっていた。
(なんか腹が立つ・・・・)
「誰か・・・このイャンクックの頭部を持ってくれませんか?」
クジでハデスが担ぐ事になった。
(重い・・・・)
馬車は村へと走っていく。
           六話完













By Mind of Hunting