死神
クロノ様作





死神[1]
死神[2]
死神[3]
死神[4]
死神[5]
死神[6]





死神[1]


「弱いんだよ、てめぇー。」と言い酒場で死神と言われているハンターが愛刀の大鎌、ダークサイスをリオレウスに振り降ろした。
ザシュュウ。剣でモンスターを斬ったときに出る独特な音が鳴ったと同時に<ギャオオオォ>とリオレウスが痛みの叫び声をあげた。
既にリオレウスは死神の大鎌に斬られた跡が数え切れない程あった。それを見て死神は言った。「さっさと死んで楽になれっての。」そう言うと死神は大鎌を強く握り締めレウスの方へと走った。
だがレウスもこのまま何もせずに斬られる程甘くは無い。レウスは死神を殺すべく巨大な口から炎の塊、火炎弾を吐いた。が、死神は「無駄な抵抗をするんじゃねぇよ。」と言ってから、まるで子供が投げたボールを避けるようにあっさりと火炎弾をかわした。
「死ね。」死神が大鎌を振るった。


酒場・・・
「よぉ死神くん、今回は何を狩ってきたのかなー。」と陽気なハンター、バウスが死神に声をかけた。
「レウスだよ。しかも超雑魚のな。」死神はそう言うとバウスの前にある椅子に腰掛けた。
「とか言いながら結構お疲れじゃーあーりませんか。」
「うるせーな、椅子に座ったからって疲れてる、とは限らないだろ。」
「じゃあ続けてレウスとレイアの討伐クエストでもやってくればー、少しは死神様も汗かけるんじゃあないんでしょうかねぇ。」
「それもいいがまずはお前が行け、最近クエストを受けてねぇだろ。」
「へいへい、分かりやしたよ。」そう言うとバウスはカウンターへと歩いていった。カウンターは食べ物を注文するだけが役割ではなくクエストを受ける役割も、もっている。
バウスがカウンターに到着して受付嬢のアリアを食事に誘っているのを見た後、死神はふうっと息を吐き「まったくあいつは。」と呟いた。


五分後・・・
再び死神はバウスがいるカウンターの方を見た。死神の目にバウスがアリアを口説いている光景が映った。「いつまで口説いてんだよ。」と言い死神がバウスを呼びに行こうとした時、後ろから声をかけられた。
「あの・・イクスさんですよね。」
振り向いた死神の目に映ったのは短い茶髪に顔立ちは幼い女の子だった。防具を付けているのを見た死神は「ハンターか。」と心の中で言った。
「ああそうだけど、名前で呼ばれたのは久しぶりだな。」
「す、すいません名前で呼ぶのは駄目だったんですか・・?」
死神はこのあだ名がついてからというものイクスという名前で呼ばれるのは初めてだった。
「別に・・死神って呼ばれるよりは名前の方がいいよ。」
死神というあだ名は性格からきたものでは無く、ただ単純に使っているハンターが少ない、ダークサイスを使っているからという理由でついた物で性格が恐ろしいという理由では無い。しかし本人は今では慣れてしまっているがあまり死神と呼ばれていい気分では無かった。
「そうですか・・。」女のハンターは胸を撫で下ろしたように言った。
「で、俺に何か用でもあるの?」
「あっそうでした。あの、いっしよにパーティを組んでいただきたいんですけど。」
と言い終わったところでバウスがやっと戻ってきた。
「おっ死神くーん誰だいこの子は、もしかしてこれ。」と言って小指を立てた。
「お前その指折るぞ、この子は今、会ったばっかりだ。」
「そうです。いっしょにパーティを組んでくれないか頼んでいたところです。」
「パ、パーティっこいつと、よしお前組め、俺もついていくからさっ、よしじゃあよろしくーえっと・・。」
「アイラです。」
「よろしく、アイラちゃん。」
「ちっ、しょうがないな。」舌打ちしながらも死神はパーティで共にモンスターと戦う事を承諾した。
「じゃあ、カウンターでクエストを受けに行くか。」
死神がそういうと三人はカウンターへと足を運んだ。


死神[2]


死神が鎌を振るう。同時にランポスの首が吹き飛ぶ。
死神、アイラ、バウスの三人はランポスの討伐クエストを受けている最中だった。
バウスがランポスを大剣、斬破刀で斬りつけながら口を開いた。「どうですかねぇー死神くーん、お調子は。」
死神はバウスを睨んでから言った。「良いも悪いもねぇよこんな雑魚。三十九度の熱だしてても余裕で狩れる。」
「へいへい、そう言うと思いましたよ。ま、こいつはほっといてと、アイラちゃんは調子は良いかーい。」と死神の反応が予想通りでおもしろくなかったのか今度はアイラに聞いた。
しかしアイラは聞こえていないかのようにランポスを片手剣、アサシンカリンガで斬り続けている。
「アイラちゃん・・無視するなんて。」とバウスがナンパが失敗した時のような顔をした。
「ばーか、アイラさんはまだハンターになったばかりなんだから軽口叩ける余裕が無い事くらい分かれよ。」
「死神くんには言われたくないね。」と言い近くにいたランポスを文句言われたうさ晴らし、といった感じに斬りつけた。

一分後・・・
「終わりましたかー。」とバウスが言った時には死神達のまわりにはランポスの死骸が転がっていた。
「そうですね。」と息を切らしながらアイラが言った。
「アイラさん大丈夫。結構息切らしているけど。」とアイラを気遣って死神が言った。
「心配してくれて有難う御座います。でもなんとか大丈夫です。」と無理をしていっているのが死神にも良く分かった。
「早く剥ぎ取りしよーぜ。」と死神がアイラと話しているのが気にくわなかったのか話を変えるようにバウスが言った。
「お前は別に剥ぎ取りなんかしなくてもいいだろ。あんまり狩りにもいかねーんだから、第一、今日はアイラさんがいるんだから譲ってやろうぜ。」
「むぅ、しょうがないアイラちゃんのためだ。」
「えっ、でもいいんですか私だけ一人で剥ぎ取りなんて・・それにこのランポス達を倒したのはほとんどイクスさんとバウスさんじゃないですか。」アイラの言う通りこのランポス十八頭を倒したのは九匹は死神で六匹はバウス、アイラが倒したのは三頭だけだった。
「別にいいよ、俺達は結構前からハンターをやっていて素材とかはたしさん持っているから。それにランポスの鱗とか皮なんて俺達あんまり必要ないからアイラさんがこれからも生き延びるために使ってよ。」と死神がアイラが遠慮しなくなるように言った。
「イクスさん有難う御座います。じゃあ剥ぎ取らせてもらいます。」


三分後・・・
アイラの剥ぎ取りが終わり三人はベースキャンプへと足を進めていた。
その最中アイラが死神に声をかけた。「あの・・イクスさん。」
「ん、何。」と言いアイラの方へ振り向く。
「えっと、ごめんなさい、さっきバウスさんから聞いたんですけどイクスさんってさっき狩ったレウスが弱くて苛立っていたんですよね、それなのに私がそれよりも全然弱いランポスの討伐クエストなんか受けてしまって。」
死神がバウスを睨みつけるとバウスは困ったように「えーと・・色々あったんだよー。」と言った。
死神はバウスを睨みつけるのを止めてアイラのほうへ向き直ってからバウスの時とは対照的に穏やかな顔で言った。「別にいいんだよ、アイラさんはそんなこと気にしなくてそれに俺もいっしょにクエストを受けてもいいって言ったんだからさ。」
「すいません有難う御座います。・・あと1つ、その・・お願いしたい事があるんですけど・・あのこれからも私とパーティを組んでくれませんか。よければ、で良いので。」
死神はバウスが自分達よりも先へ行っている事を確認してから言った。もしあいつがいれば速攻OKするに違いないと思ったからだ。「なんで俺なんですか。」
「それは、イクスさんは強くて頼りになるし、優しい・・からです。」
OKしてあげたいがなるべく強い飛竜と戦いたい死神としてはこれをOKする事はしばらく飛竜と戦えなくなるそれは死神にとって苦痛であった。だから「ごめん、悪いけど断らせてもらうよ。」
アイラは顔を下に向けて「そうですか。」とただ一言言った。
死神は声にはださず心の中で、ごめん。と謝った。



死神[3]


「断ったぁぁー。」バウスの声が酒場に響く。あちこちから「うるせーぞ。」、「馬鹿みたいな声だすんじゃねぇ。」という声がバウスに向けて発せられている。だがバウスはその声に構わず続けた。
「アイラちゃんに誘われたのに断ったなんて・・アイラちゃんなぜ俺をパーティに誘わなかったんだぁー。」
「うるせーな、俺だって断りたくはなかったけどさ、アイラさんと組むと飛竜狩れないんだよ。」と死神は言った。
「今からでも遅くはない、さっきのは取り消ししますぼくと組んで下さい。と言ってこーい。」と声を荒げてバウスは言った。
「なんで俺が・・そんなにアイラさんと組みたいんなら自分で頼みに行けばいいだろうが。第一女のハンターなら他にもいるだろ。」
「あのねぇアイラさんは女のハンターの中でも相当可愛いんだぜ俺的に。じゃあ死神くんが行かないのなら仕方ない、俺自ら出陣してアイラさんとパーティを組むしかない。」アイラさんもこんな奴ら好かれて大変だな。と死神は思った。
「あれぇーアイラさんいないじゃん、どこ行ったんだぁー。」バウスがあたりを見回しながら言った。
「どこ・・行ったんだ。」なぜか死神は嫌な予感がした。
「おーいアリアちゃーん、アイラちゃん知らない。」とアイラがいない事をバウスが受付嬢のアリアに聞いた。
「アイラちゃんなら飛竜の討伐に行きます。とか言ってクエストを受けていっちゃったよ。」
「ひ、飛竜だぁ、まだランポスでさえ苦戦しているのに。」と額から冷や汗を流しながらバウスが言った。
「バウス行くぞ、ほっといたら絶対アイラさんは死ぬ。」と言い、死神は席から立ちあがるとすぐに酒場の出口へ向かった。
「お、おい待てよー死神くーんおーい。」
死神は自分が言った事でもしかしたらアイラさんを飛竜討伐クエストをさせたかもしれないと考えていた。
死神は酒場来るまでに一度だけアイラと話をした。その内容はどうすれば死神のパーティに入れてくれるか。という内容で、ここで死神は「飛竜を倒せるくらい強くなったらいっしょにパーティを組もう。」と言ってしまったのである。
だからアイラは無茶な飛竜討伐クエストを受けてしまったのかもしれない。
だが、ただ1つ引っかかる事があった、それはなぜそんなに俺とパーティを組みたいのかという事だ。
もしかしたらアイラは自分に好意を抱いているのかもしれない。
そんな事考えている時じゃないと自分に言い聞かせ、走るスピードをあげた。


死神[4]


馬に乗り、死神とバウスはアイラが向かった丘を目指していた。
馬は今はこの世界では乗っている人も少なくなっていた。
昔は乗る人も多かったがモンスターが増え始めた今は、馬より安全なアプケロスに乗って移動するのが普通であった。もちろん死神達もいつも普通に狩りに出かける時はアプケロスに乗っていく。が今回は普通。ではなく一刻を争う事態なのだ。
「なんでアイラちゃんはレウス討伐なんかに・・。」バウスがいつになく暗い表情で言った。
「俺に聞かれても・・よく分かんねぇよ。」
「・・・・・」いつものバウスならここで何かを言ってくるが今回はなぜかバウスは何も言わなかった。
きっとアイラの事が心配なんだろう。死神は本人にはいわず心の中でそう思った。だがそれは死神も同じだった。もしアイラが自分達と同じくらい実力があったら心配などしないだろう、しかしアイラには実力は無い、ランポスにも苦戦するほどに。
それが死神の不安に拍車をかけていた。急がないと、急がなければ。と。
そう思っているうちに丘が見えた。
二人は馬を降りると、レウスがよくいるポイントへと向かった。


死神[5]


<ギャオオオオォォオォォ>二人がポイントへ向かっている最中にレウスの咆哮が耳に入った。
「ちっ急ぐぞ。」死神が言うと、バウスも走るスピードをあげた。
ハァハァと息を切らしながらも二人はようやくレウスがいる場所についた。
そこにはレウスの他に一人の女ハンターがいた。だが女のハンターは怪我をしたのか倒れていた。
死神はダッシュでそのハンターの隣へ駆け寄り顔も見ぬまま女のハンターを抱え上げると、「バウス。」といっしょにここまで来たハンターの名を呼んだ。するとバウスはレウスに向かって走りだし、近づいた所でレウスの頭部を斬破刀で斬りつけた。
死神とバウスは昔はよく二人でいっしょにパーティを組んで戦っていた、だから名前を呼ばれただけで相手が何をして欲しいのか分かるのだ。
死神はやっと女のハンターの顔を見た。その人は死神の予想通りついさっきいっしょにパーティを組んだ女のハンター、アイラだった。
「イクスさん・・どうしてここに?」イクスに抱かれているのが恥ずかしいのか顔を赤らめてアイラが言った。
「アイラさんを助けにきたに決まっているだろ。」といつもよりも更に真顔で言った。
「すいません・・」
「でも、死んでいなくて本当に良かったよ。」と安堵した様子で言った。
「あっ・・あの・・ご・ごめんなさい。」と何度も言葉をかみながらまた顔を赤らめて言った。
「怪我はない見たいだね。じゃあここで隠れていて俺達があいつを倒してくるから。」そういうと死神はアイラのもとを離れレウスのもとへ向かった。
バウスがレウスを切り続けているところに死神が加わった。
「おいっアイラちゃんは大丈夫だったか。」と目線はレウスに向けながらバウスが聞いた。
「ああ、幸い怪我もない。」
「良かった・・。じゃあさっさとこいつを片付けますか。」言い終わると同時にバウスがレウスの腹の下に潜り込み巨大な足を横なぎに斬りつけた。
<ガゥアアアァア・・・>レウスの叫びが終わる前に死神の鎌がレウスの右目をえぐる。続けて死神がレウスの長い首を斬りつける、切断はできなかったものの首に深い傷を負わせた。つまり人間でいう首の頚動脈を斬ったという事になる。こうなればレウスでもしばらくすれば死ぬ。
勝ったな。と思った時、空からバサッバサッという音が聞こえた。しかもその音はいくつも重なりあっていた。その音を発しているモノが地面に着地した。
死神はチッと舌打ちをした。なぜなら大型のレウスに小型のレウスにレイアまでいたからだ。バウスが声を荒げる。「おいどういう事だよ。なんでレウスが二頭もいるうえにレイアまでいるんだよ。」
死神もバウスと同じように「分からない、もしかしたら大型のレウスとレイアがあの少し小さめの子供に餌の獲り方を教えるためにわざわざ三頭で来たのかもしれない。」と声を荒げて言った。
レウス大が炎の塊、火炎弾を吐いた。
「クソッ。」そう吐き捨ててから死神は火炎弾を避けた。
「バウス、閃光玉は。」死神は逃げるつもりでいたいくらなんでも二人対三頭では危険と考えたからだ。だが
「ねぇよ。」
「クソッ。」閃光玉無しで逃げるのは少し無理がある。ましてや相手は三頭もいる。
「しょうがない、バウスやるぞ。」そういうと死神はレウスの方へと走りだした。
死神がレウス小へ向かって走る。まずは一番弱い子供を残酷だが殺しておく、子供ならば親よりは弱いからあっさりと死ぬ。
途中でバウスに声をかける。「バウス、そいつを。」短い言葉だったがバウスには死神が何をしてほしいのかよく分かった。死神がしてほしかった事は瀕死のレウスを殺す事だ。
バウスはさっきまで戦っていた瀕死状態のレウスに向き直り、「いい加減、くたばれ。」と言うと斬破刀で瀕死のレウスの首を斬った。バシュッという音が鳴ると同時にレウスは倒れた。もう二度と立ち上がりその巨大な翼を使って大空を飛ぶ事はないだろう。
バウスはその場を離れると死神の援護をするべくレウス小に向かって走り出した。
死神が鎌でレウス小に斬りつける、が子供が殺されそうになっているのに黙っている親はいるはずもなくレウス大は火炎弾を死神に向けて吐き出した。
「チッ、こいつぅぅ。」死神が吐き捨て火炎弾をかわした時、死神の横をバウスが通り抜けた。
バウスはそのまま速度を落とさずレウス小をの首を渾身の力で斬りつけた。
バシュゥゥ。と言う音を立てレウス小の首から血が噴出してバウスの体に血の雨が降る。
「バウスッ離れろ。」死神の声が聞こえた時にはレウス大の大きく開かれた口が目の前まで迫ってきていた。
「クソッ、やべぇっ。」死ぬ。その言葉が頭をよぎった。バウスはこの時死の恐怖よりも、まだ女とキスもしてないのにちくしょー。という死とはまったくかけ離れた事を悔やんでいた。
バシュッ。レウス大の口がバウスまで二メートルというところで止まり、その口から痛みの叫び声が発せられた。バウスはすぐにその場を離れるとなぜレウス大の口が止まったのかが分かった。それはマトリッ○スなどではなく、死神が鎌を投げそれがレウス大の腹に直撃して、痛みでレウス大の口が止まっていたのだ。
「サンキュー死神くん、危うく女とキスする前に死ぬトコだったぜ。」とバウスがこんな時にも関わらず、女を口説くのに成功した時のように明るく言った。
「そんな事言ってる場合じゃねぇだろ、それにお前とキスする女は絶対いない、賭けてもいい。」と死神もいつもと同じように突っ込みを入れた。
「いいんだな、じゃあ帰ったらどっちが先にキスするか勝負しようぜ。俺は自分が勝つほうに五千。」と賭けにしても破格な額を言った。
「もう無駄口叩いててる暇はない、いくぞ。」
「へいへい。」
ダッと走りだすと死神はレウス大の方へと向かった、まずは鎌を回収しなければ話にならない。レウス小が火炎弾を吐くだがまだ経験がたりないせいか吐き出された火炎弾は死神よりも五メートル後ろに着弾した。
<ガゥウオオォ>とレウス小が咆哮する。ちくしょー。とでも言っているかのようだった。
そのレウス小の顔の下にバウスは入りんだ。「悪りぃけど死んでもらうぜ。」言い終わると同時に再びレウス小の首に斬破刀を振り下ろした。
レウス小は叫ぶ事も無くその命を絶った。
レウス小が死んだと同時に死神も鎌をレウス大の腹から引き抜いた。
その時、ふと唐突にある事を思い出した。レイアはどこだ。死神は辺りを見回した。するとレイアが自分達よりも五十メートルほど前にいる事が分かった。
「何やって・・・」と言ったところで死神はレイアの前に人影が見えた。
背は小柄、髪は茶髪、手には形が独特な片手剣アサシンカリンガを持ちレイアを斬りつけていた。
「まさか・・おい、うそだろ。」それは死神とさっき一緒にランポスを狩った人物、死神のパーティに入れて欲しいといった、女の新米ハンター・・・アイラだった。


死神[6]


レイアの前にいるハンターはさっき死神と一緒に狩りをしたアイラだった。

「クソッ。」死神は言い終わると同時にアイラり方へ走りだした。
それと同時にアイラにレイアの尻尾が直撃して吹き飛ばされた、アイラは痛みで呻いている。だがそれでも非情なレイアはアイラにトドメを刺そうと火炎弾を吐いた。
「やめろぉぉぉぉぉー。」だが死神の叫びもむなしくレイアの吐き出した火炎弾はアイラに直撃した。
「ちくしょぉぉー。」死神はレイアの腹の下に潜り込むと渾身の力で斬り付けた。
<ギャオォォォォ>レイアの断末魔がおさまる前に死神はアイラの隣に来ていた。アイラは腹が炭のように黒くなっていた。
「アイラさんっ、おいっ起きてくれぇ。」死神の願いが通じたようにアイラが目と口を開いた。
「イク・スさん、ごめ・・ん・なさ・・・い。」そういうとアイラは再び目を閉じた。
「おいっ、アイラさんっおいっ。」だがアイラが目を覚ます事は無かった。
「死・・ん・だ・・・・・?守・・れな・かった。」死神は瞬きもせずじっと冷たくなったアイラの方を見ていた。
結局アイラはなぜ自分とパーティを組みたかったか、自分に好意を抱いていたのか、そしてなぜ自分がさっきあったばかりのこの人のが死んだのがこんなに悲しい
のか、死神は分からなかった・・だがひとつだけ死神にも分かる事がある、それは紛れも無くアイラは死んだのだ、非情なモンスターによって。
死神に向けてレイアが非情にも火炎弾を吐いた。
死神がアイラのほうを見たまま、横薙ぎに鎌を振るった。するとレイアの吐いた火炎弾はろうそくの火を消すようにフッとかき消された。
なぜか、それは死神が鎌を振る事によってできた風があまりにも強かったためだ、だが普通の人間がこんな事をやっても強力かつスピードのある火炎弾をかき消す事は不可能だ。
ならばなぜ死神はこんな神技ができたのか。

死神はアイラが死んだと分かった時、自分の腕に注射を打った。この注射に入っている薬、それは鬼人薬の進化型の薬、魔人薬。この薬の効果は一定の時間、風のように速く動き、鬼のような怪力になる事ができる。しかし良い効果だけでなく悪い効果、副作用もある、それはこの薬の効果が切れたあと、一週間はまったくといっていいほど体を動かせないのだ。
もしものために用意しておいた薬がこのハンターの仇討ちのために使うとは死神も考えてはいなかった。
死神にはなぜかレイアとレウスが許せなかった。確かにこんなクエストを受けたアイラが悪いに決まっている。しかしなぜか死神には許せなかった、このモンスターが許せなかった。だから確実に殺すためにもこの危険な薬を飲んだのだ。

死神がユラァリと立ち上がる、同時にレイアが突進してきた。
だが死神は動かず、鎌を縦に振り下ろした、すると魔法でも使ったかのようにレイアの頭が縦に裂けた。
バシユッッ。音を立てたあと切断面から気持ちの悪い物体がドロドロと出て来た。
それには見向きもせず死神はレウスの方へ向かった、バウスがレウスと戦っているのが目に入ったと同時に足を動かす、五十メートルの距離を防具をつけているにも関わらすわずか三秒で移動した。
バウスに死神が走った時にできた風圧が当たったときには、レウスの翼はすでに死神に切り落とされ血の雨が降っていた。
「しに・・イクスお前、何を。」バウスが今一瞬にして起こった出来事が分からずに聞いた。
「薬。」短くそう返した。
「お前、あれを使ったのか。」
その質問には答えず、死神はレウスの首の下に立つと「死ねよ。」と言い鎌を上に振った。
ドンッ。レウスの首が地面に落ちたのを確認したあと死神の膝がガクンと落ちた。
体は動かさなかった、動けなかったが口だけは動かしてバウスいや自分自身に言った。
「人間っていうのはなんで他人のために命をかけたり、怒ったりできるんだ・・・・フッ・・馬鹿だよな人間って。」
言い終わるとなぜか死神はイクスは大粒の涙を流した。




















By Mind of Hunting