一話だけの伝説
Rios様作







登場人物

ルキ…病弱で全くハンター家業には向いていない。
   しかし飛竜に母を殺されてからハンターになることを決意した。
   ルキの父は古龍を討伐した事で有名だった。

クロウ…別名 双角折り ディアブロスを連続三回討伐した
      大検使い。腕は物凄くいいが普段はほとんど黙っている。

ダン…別名 虫殺し(自称?) クロウと共同活動するボウガン使い。
     しかしカンタロスにも弾が当てられない程のヘッポコハンター。
     稀にモンスターのクリティカルヒットをさせる。
     クロウの通訳(自称)   




ドントルマにふらりと現れた青年、
ルキ・リタリス17歳。
顔色が悪く昔から病弱だった。
今にも倒れそうな程フラフラしている。
しかし彼もハンターなのだろう
腰にハンターカリンガを挿している。

ルキは一番賑わっていそうな酒場に入った。
キシィ…と床が鳴る。この音はハンターが酒場に入った、という音だ。
フラフラ受付に向かっていく。一瞬目に大男が入った。その瞬間、
ドン!と大男とぶつかってしまった。
力の反動で倒れるルキ。
「なんだぁ?テメェ!」
大男がギョロリとルキを見下した。
男は酒に酔っているのか顔を真っ赤にしている。
「すす、すいません!」
ルキが必死に謝った。しかし大男はなおもルキを見下してる。
「今ので俺の大剣が傷ついちまったじゃねぇか!弁償しろ!」
大男は怒声を上げた。ルキは謝ることしか出来ない。
大男が殴ろうとした瞬間ポンッと大男の肩を叩いた。
ギョロリと後ろを振り向く。その瞬間拳が止まった。

全身ディアブロス装備背には大剣角竜剣ターリアラートを背負っている。
大男はあ…あ…としか声が出ない。
そのディアブロス装備の横からヒョコッとひ弱そうな青年が顔を出す。
「え、え〜とクロウはこの辺にしときな。酒が不味くなる。と言っています…。」
クロウと呼ばれた男はコクと頷く。
「す、すいませんでした!」
と大男が謝った。と、大男は逃げるように酒場から出た。

クロウはルキに向き直る。
そしてまた青年が
「クロウは大丈夫か?と言っています。」
スッとクロウが手を伸ばす。
「あ…ありがとうございます。」
また青年、
「え〜とクロウは、大丈夫ならいい。えと…お前はハンターには向いていない。
帰れ。と言っています。」
それを言われたルキは呆然とする。
「で…では…」
と青年が去ろうとする。
「ま、待てよ…。待てよ!」
とルキが叫ぶ。青年が顔を真っ青にして振り返る。
クロウはグッとルキを睨み付けた。
「お、俺はハンターだ!お前に決め付られる権利は無い!」
ルキが必死に怒声を上げる。
青年がまた
「ああ!えとクロウはなんだと?と言っています…」
と青年が言い終わった瞬間クロウの持つ大剣が振り下ろされた。
ズッドーン!
酒場の床が砕け散った。
受付嬢が駆け寄ってくる。
「あぁ!もう!こんなことして!」
煙から大剣をギリギリで避けたルキがいた。
「えとクロウは、興醒めだ…と言っています。」
青年が言う。
また青年が
「え!あ、えとお前はいい勘をしている。一緒に飲まないかと言っています。」
「え?あ?」
ルキは納得のいかないままテーブルに連れられて行った。
椅子にすわすと酒が目前に置かれた。
グイッと飲み干すとクロウがニヤリとした。
その瞬間ズドドドドドという音がした。
青年が酒場から出る。
「た、大変だ!古龍だ!」
大声が上がると同時に風が吹き荒れる。

クシャルダオラ

代表的古龍で風を自在に操る。
青年がルキに駆け寄り、
「大変だ!逃げなきゃ!えと、僕の名前はダン・ベルティ!
あとディアブロス装備の人がクロウ・ファンガ二世です!じゃ!」
とダンが言い終わるとクロウが逃げようとするダンを掴んだ。
「あぁ!?えとクロウはあなたとアイツを狩りたいらしいです!名前は?」
ルキが大声で「ルキ!ルキ・リタリス!」と言い放った。
クロウがこちらを見るとニヤリと笑い、クシャルダオラに向かっていく。
ルキもフラフラながらクシャルダオラに走っていく。
近づくにつれて風が強くなる。
ダンがもうやめようよと言いながら走ってくる。

クロウがブレスを放った直後のクシャルダオラの頭を切りつける。
一番肉質が柔らかいのか甲殻が壊れた。
グオォォォォ!とクシャルダオラが鳴いた。
立ち上がった胸をを狙い大剣が振り下ろされた。
ガガッっと大きな傷が付く。
ルキも追いついたが倒れこんでしまった。
ダンがヘッポコながらボウガンを撃つ。
だがほとんど当たっていない。
クロウは大剣がボロボロになるまで斬り続ける。
頭に狙いを定め斬りおろした瞬間、クシャルダオラが飛び上がった。
クロウはチッと舌を鳴らす。
しかし、その瞬間クシャルダオラから爆炎が起きる。
クシャルダオラはそのまま地面に落ちた。
ダンの撃った弾、鉄甲榴弾。
敵に刺さった瞬間、大きな爆発が起きる。
内部から破壊するためダメージは大きい。
だがクシャルダオラはむくりと立ち上がった。
ギャァァァァァァ!と鳴き声が上がるとクロウはまともに聞いてしまい、フラフラと倒れこむ。
怒りに任せたブレスがクロウを襲った。

ドン

まともに食らってしまったクロウはそのまま壁に打ち付けられた。
それを見たルキはやっと立った。
ハァハァと息が荒いが、視点は定まっている。
チラリと後ろを見ると気を失いそうなクロウがヤメろというように睨み付けている。
ルキは前に向き直るとハンターカリンガを手にした。
「うおぉぉぉぉぉ!」
とルキが叫び、クシャルダオラに突進していく。
その声は古龍にも負けない大声だった。
その時、まるで風が自分を後ろから押している感じがした。
クシャルダオラも立ち上がり前方に全力で腕を振る。

ズドッ
鈍い音がする。
鮮血が滴る。
俺が殺したのか
俺が殺されたのか。
腹が痛い。
でも確かに手ごたえがある。

ダンが近寄り大声を上げる。
クシャルダオラの爪がルキの腹を貫き、
ルキの剣がクシャルダオラの胸を深く切り裂いている。
クシャルダオラが倒れこむ。
ダンがルキを揺すった。
「大丈夫ですか!?ルキさん!ルキさん!」
ユラユラとクロウも立ち上がりルキに近づいた。
目が開かれた。
「ダン君…クロウさん…俺立派なハンターだったかな…」
ルキが吐血する。
「えぇ…立派でしたよ…だから…」
ダンが涙ぐむ。
その瞬間クロウが口を開いた。
「あぁ…立派だったよ…」
ルキは喜びダンは驚きの表情をしている。
「あり…がと…う」
ルキはフッと目を閉じた。
「ありがとう…」
とクロウとダンがひっそり言った。


ドントルマを救った英雄の名に、もう一人名前が書かれた。

ルキ・リタリス

この名はこの先ずっと語られていくだろう。
彼のハンターカリンガは、英雄の剣として伝えられている。
一話だけの伝説として。















By Mind of Hunting