レウス討伐
【第一章 仲間】


私は、ココットの村に住む女ハンターの「ドーン」。
毎日のように狩りに出かけ、生計をたてている。
村長には、「ドーンよ、狩りはとても危険じゃ!常に死と隣合わせ、なんじゃ!女のおまえには、無理というもの。」
と合うたびに言われるが、「ランポスや、ブルファンゴごときにやられるような私じゃ、ないね!」と聞く耳もってなかった。
そんな、ある日「ドスランポスの爪」が高く売れるという話を聞き、
「この間、丘でチラッと見た赤いトサカのランポスのことだろ、私の敵じゃない。」
そう思った私は、早速丘へ出かけた。
丘をしばらくあるいたところで、「いたっ!!あいつだな!!・・・ん?なに?いっしょにいるデカイ奴は??!!」
それは、初めて見る「火竜リオレウス」だった。
私に気づいたレウスは、私が身構える間もなく、ひと声吼えると、
猛烈な体当たりをしてきた。
「うっ!!」
ガードしてたにもかかわらず意識が、とうのいていく。
気が付いた時には、なぜかキャンプにいた。
頭の中にレウスの幻影が浮かぶ。
「私一人では、奴には勝てない!」
初めて敗北を味わったドーンは、一緒にレウスと戦ってくれる仲間
を募る為、街へ行く決心をした。



街に着く頃には日も暮れて、街のたいまつには火が灯されている。
そんな時間でもここはいつもどおり、人と活気で満ち溢れている。
「やっぱ、同業者を募るんなら酒場が一番だろ」
と酒場の方に足を運んだ。
街外れにある酒場『アーヴ』。
あたしがいつも仕事終わりに一杯やるところだ。
それなりに繁盛しているし、ここの親父になら
ある程度コネがある。
「・・・それとヤケ酒を一杯ひっかけたいしな♪」
そう思いながら酒場の戸を開けると突然、
円形のテーブルが飛んでくる!!
とっさに戸を閉めて衝撃から身を防ぎ、状況を確認する。
「・・・ってどうせ酔っ払い同士の喧嘩だろ。」と少し戸を開けて、これ以上物が飛んでこないことを確認して中に入る。


そこでは、中年で酔っ払っている大男と身丈が6尺(180cm)ほどの
長身の若い男が部屋の中央でいがみ合っていた。
そんな連中をよそに私はテーブルについた、そしていつものやつを注文し一気に飲み干す。
「ぷっはぁ〜」
思わず豪快に言ってしまった。
ガッシャーン!!
あの二人まだいがみ合っているようだ。
「表へ出ろ!」
「上等だ!相手になってやる」
二人はそのまま外へと出て行った、それに続くように数人も野次馬も含めて。
私は飲み干したグラスを掲げてもう一杯注文する。
「レウス・・・痛かったな〜」
ため息しか出てこない。
奴と対等に渡り合うには一人では無理だろう、たとえ道具を駆使したとしても今の自分の装備では仕掛ける前にやられてしまう。
仲間だ!仲間を募ってやるしかない。
私は再び一気にグラスの中身を飲み干すと同時に立ち上がった。
そしてカウンターに向かいギルドのお姉さんに依頼を出した

”レウス討伐に向かう屈強な同行者求む ”

お姉さんは早速それを貼り出してくれた。
逸る心を抑えようと、私は酒を頼んでテーブルへ腰掛けた。
敢えてクエスト受付カウンターは見ない。
待つこと暫し。

「あ〜」
と、カウンター前で些か気の抜ける声があがる。
嫌な予感がした。おそるおそる目を向ける。
立っていたのは、まだ少女と云っても過言ではないような顔の女ハンターだった。
鉱山さえ掘れば素人でも作ることが出来る金属の鎧に身を固め、
背には紅のショットボウガンを背負っている。
どことなく茫洋とした微笑みを浮かべながら、こちらへ向かってきた。
私は確かに「屈強な同行者」と書いた。少なくとも「小娘」ではない。
この女ガンナーは書かれた文字が読めなかったとでもいう気だろうか?
私は娘の前を遮るように立った。精一杯の威厳を込め、なるべくドスを聞かせて声をかける。
「そこのお前…その依頼、受けるつもりか?」
「そうですよ」
どこか茫洋とした声が、春風を思わせる穏やかさで答える。益々もって屈強では有り得ない。
「書いてある文字は読めるよな?」
「屈強な同行者って書いてありますね。貴方がクエスト受けた方?よろしくです」
ぺこりと頭を下げる様に、聞いてネェのかコノヤロウと暴言がのどを突きそうになったが、
忍耐力の限りを使って押しとどめた。
「残念だが、あんたはこの依頼に該当してない。私は『屈強な』同行者を捜してる。
あんたはそのナリで屈強だって言い張るつもりか?」
「はい」
即答だった。
「よろしく〜」
どこが屈強なのだ。目の前が暗くなる。解散してやろうかと本気で思った。
「が〜んばってね♪」
カウンターのメイドが揶揄するような笑みを私に投げかけた。
歪んだ苦笑で答えるのが精一杯だった。
(小娘が一人増えるだけだ。しかもこいつはガンナー。邪魔にさえならなければいい。)
私はそう考えてもう少しメンバーが集まるのを待つことにした。
「酒をもう一杯くれ。」
カウンターに向かって言う。すると横から
「え〜!ダメですよ!大事な仕事前なんですから!!二日酔いにでもなったらどうするんですか?!」
・・・あの小娘だ・・・。私は酒の一杯くらい飲んだところで二日酔いになどなりはしない。
現に今までどんなに飲んでも二日酔いにはならなかった。
そう思い反論しようとすると、後ろから声がした。
「おいおい嬢ちゃんよ。酒の一杯や二杯くらいいいじゃねえか。なぁ?」
「そうですよ。お酒くらい飲まなければやってられませんよ」
ふりむくと眼鏡をかけた喧嘩をしていた大男が立っていた。
どうやら喧嘩はカタがついたようだ。
「そんなことありません!お酒は時として体に毒になるんですよ?!」
小娘が反論する。大男はそれを無視して私に言った。
「あんたが依頼主か?俺はバーダ。こっちは相棒のカロン。あんたの依頼書見たぜ。俺達も行くことになった。よろしくな。」
まだ状況を理解できないままに私は答えた。
「あ、あぁ。よろしく。」
カロンと言われた男が言った。
「実は僕達も少し前にリオレウスに挑んだのですが・・・・。
あと少しのところで・・・。」
(やつを追い詰めたこの人たちなら心強い。こんな人たちを待っていたんだ。)
バーダが言った。
「ところで嬢ちゃん。」
「ノアです!」
「ああ。分かったよ。ノア、ほんとに参加する気かい?あのリオレウスだぜ?」

「わかっています、やりますよ」
私が確認する。
「本気?」
「本気です!」
真剣な眼差しで答えてきた、顔も必死でさっきとは、まるで別人である。
そう・・・この子もハンターだ、狩ることに命を懸けている・・・そう思うと見かけで弱いと決め付けていた自分が恥ずかしくなった。
「ごめん・・・」
「え?何がです?」
「いや、このクエストに参加してくれてありがとう!」
「はい!」
少し本当の大人・・・いや、ハンターに近付けた気がした。
バーダが言った。
「じゃあ決行は明日!10時にココに集合だ!いいかい?依頼主さん?」
「ああ。そうしよう。それと私はドーンだ。」
「ドーンか。んじゃドーン、ノア、それにカロン!遅れんなよ!」
そういってバーダとカロンとは出て行った。
(ついにやつと戦える!明日が楽しみだ!)

その夜ドーンは、考えていた。「あのノアという小娘、それにカロンとバーダの二人もきっとただものではない。あの装備、
見たこともない武器を持っていたな。んん・・・・
まあ奴らなら、わたしの足手まといになることも、あるまい。
しかし、奴、リオレウスは今まで戦ってきた、どんな奴よりも強い。
はたして、4人とも無事ですむのだろうか?
奴に勝てるのだろうか?」そんなことを考えている間にいつしか、
ドーンは、眠ってしまっていた。
そして、いつものように澄み渡る青空、きらめくような、
朝が訪れた。そして、死闘になるであろう朝が・・・。

ドーンが酒場に着くと、もうすでに3人は来ていた。
武器の手入れをしていた、バーダが顔をあげると、
「よお!!ドーンおせえじゃねえか!!他の二人もとっくに着いて、お待ちかねだぜ!」
「あ、ああ、すまん」
ドーンが片手を軽くあげた。
ゆっくりちかずいてきたカロンが、その手をつかみながら言った。
「おい、ドーン、まさかもうビビってるんじゃ、ないだろな?」
「なにっ!!」
と言おうとする前に奥の方から声がした。
「ビビってるのは、あなたでしょ!カロン!!」
カウンターでオヤジと話していたノアだった。
「うるせえなっ、このガキッ!!そもそも・・・」
「オイっ!!今から仲間同士でケンカしててどうするんだ!!」
ダーバが、あきれた顔で言った。
「俺たちは、これから遊びに行くんじゃあ、ねえんだぞ!!あの火竜リオレウスと一戦まじえにいくんだぜ!!おまえら、わかってるのか?」
その声に酒場中が、静まりかえった。
ドーンの隣のテーブルで、モスライスを食べていたハンター風の男が
ドーンに言った。
「ね、ねえちゃん達まさかあのリオレウスと、戦うつもりなのかい?」
「あ、ああ、そうだが。」
ハンター風の男は、顔をしかめなが「悪いことは、言わねえ。
やめときな!俺は奴に殺されかけたハンターを、何人も知っている。
ましてや、女のおまえには、無理な話だ。」
ドーンの頭の中にあの時のレウスの姿が浮かんだ。
「確かに奴は、強い。しかし奴を倒さない限りハンターなど、
やっていけるはずがない。倒してやる、必ず私が奴を倒してやる!」
ドーンは、こぶしを握りしめた。 そのとき
「オーイ、みんないくぜっ!!火竜が俺たちを待ってるぜ!!」
大剣を担いだバーダが、酒場の扉をあけうれしそうに出ていった。


【第二章「激闘!!雄火竜リオレウス」】

酒場を後にしたドーン、ノア、バーダ、カロンの4人は、
強敵「リオレウス」の待つ丘へ向けて歩きだした。
見上げる大空は、雲ひとつなく、透き通る様な青が広がっている。
「オイ、絶好のピクニック日和だぜ!!ガッハッハッハッ!!」
バーダが、響きわたるような声で言った。
背中に担いだ大剣が、日を反射して輝いている。
「あの大剣・・・そういえば一度だけ、どこかで見たことがある。そうだ、確か鍛冶屋で見たんだ。名前は確か・・・」
ドーンが、思ってると横からノアのお茶目な声がした。
「ねえねえ、ドーン!!あなたクック仕留めたことある?」
「なんで、そんなにニコニコしてるんだ?」と思いつつも
「ああ、クックなら何度もな。奴の動きは単調だ。」
「ふ〜ん、ドーンって強いんだね!!」
「オイオイ、おまえらクックとレウスを一緒にするんじゃねえぞ!!」
バーダと並んで歩いていたカロンが、振り向きながら言った。
「言っとくが相手は、レウスだ。おまえらが危なくなっても、
俺は、助けてやれねえからなっ!!」そう言うとバーダの
肩をコブシで軽くこずくと、「さっさと、かたずけて酒場で一杯やろうぜ!!バーダ!!」
「ああ!そうだな!!」バーダが空を見上げながら答えた。

ドーン達の目に「ハンターキャンプ」が見えてきた。
「よし!やっと着いたぞ!」
ドーン ノア カロン バーダの四人は街から遠く離れたリオレウスの生息地である、森と丘のキャンプに到着した。
しかし、キャンプに着いたとたんにさっきまで元気だった四人が急に喋らなくなった、
それは当然だ、リオレウスという強大な飛竜を倒さなければいけない、いや当然逃げることも可能だがそれでは他のハンターの笑いものにされてしまう、
四人の表情には恐怖と言う物がにじみ出ていた。そして一時が経とうと言う頃。
「あの・・・」
以外にも最初に声を上げたのは一番年齢の低いノアだった。
「こうしていても何も始まりません、作戦を立てましょう」
「あ、ああ、そうだね」
ハッと我に返ったドーンが答えた。それに釣られ他の二人も顔を上げる。
「いいですか、リオレウスは空を縦横無尽に飛び回る飛竜です、見つけてとしても滅多に降りてくることはありません」
「そんなのキミのボウガンで撃ち落せばいいんじゃない?」
「無理です!リオレウスの飛行高度はすごく高いんですよ!弾が無駄になってしまいます!」
「じゃあ どうすれば・・・」
「なあ、こうゆうのはどうだ? 誰か一人を囮にする、そしてその囮の一人が小樽爆弾を爆発させる、その音でレウスが囮に気づいて襲おうと降りてくるんじゃあないか?」
ひらめいた!と言わんばかりの顔でバーダが答える。だがドーンとカロンは呆れ顔で答えを返した。
「だめだよ、リオレウスは、よっぽど空腹かそれ以上の訳がないとあまり人間は襲わない」
「それに仮に襲ってきたとして、囮の一人が無事に済むとゆう保証があるのか?」
ドーンとカロンの二人がバーダを責める、二人のあまりの批判にバーダは顔をしかめる。
「じゃあどうするんだ?」
「うーん・・・」
四人はしばし沈黙した、そして一時が経ち日が傾き始めた頃。
「あ!」
ノアが突然 声を上げる、他の三人は驚き一斉にノアを見つめた。
「いい作戦を思いつきました!」
「え!なんだい?」
ノアは真剣な顔をして自分が考えた作戦を語り始めた。
「こんなこともあろうかと〜♪」
ノアは自分のポーチを探り始めた。
「ジャジャ〜ン!!角笛です!これをどこかに隠れながら吹けばリオレウスも不思議に思って降りてきますよ!」
「そうか!それなら!」
ノアはなかなか頭の回転がはやいようだ。私は感心した。
「いいや。ちょいと待ってくれ。ドーン、ノア、そいつははたして成功するのか?」
バーダが言った。私は聞き返す。
「どういうことだ?」
するとカロンが答えた。
「はたしてあのリオレウスがそんなことくらいで降りてくるのか?ということです。」
バーダが続ける。
「それにやつが用心してどっかに飛んで行っちまうかもしれねぇ。俺は絶対にやつをしとめてぇ!
 リスクは背負いたくねぇ。そういうこった。」
「じゃあなにか他に作戦があるんですか?どうせないんでしょ?ねぇ?」
ノアが責め立てる。私は言った。
「バーダ、カロン。他に方法がないのなら・・・賭けてみないか?」
しばらく沈黙が流れた。最初に口を開いたのはバーダだった。
「・・・しゃあねぇ!その賭け乗った!カロン、いいだろ?」
「それしかないようですね。では私が笛を吹きますよ。私は双剣使いです。そこから回避にも攻撃にも転じられますから。」
(よし、これで準備は整った。)
「わかった。ではやつを探しに行こう!」
レウスを引きずり降ろす手段は確保した。後は、全力でヤツを狩る。それだけだ。
私やバーダ、カロンがキャンプから出ようとした後ろから、
「あ。ちょっと、まって〜」
とノアのストップがかかった。出鼻を挫かれて些か憤慨の面持ちで振り返った我々へ、
「動くな」だの「もっとまとまって」だのと指示が出る。
何のことだか分からずに、手持ち無沙汰に三人並んだところへ、おもむろにボウガンの照準が定まった。
「オイコラ何の真似だ」
とバーダが怒声を上げそうなところへ、少々奇妙な香りのする液体が降り掛かる。
もう一つ、と合図して次弾をリロードし、ノアは二発目を放った。
今度は刺激の強い香りだ。私は覚えがなかったが、バーダやカロンは思い当たる節があるようで、
何やら感心の表情を浮かべている。
「鬼人と硬化か。気が利いてるじゃネエか」
鬼人と硬化。聞き覚えがある。確か、腕力を上げる薬と、痛み止めの硬化がある薬だ。
私はボウガンに暗いので詳しくは知らないが、ボウガンによってはそれらの硬化がある弾を撃てるらしい。
「ガンナー心得の一つですよ。回復も持ってきました」
ノアが満面の笑みと共に親指を立てる。バーダとカロンも同じように答えた。
当然だ、という表情で頷いた私は、正直、心の中で舌を巻いていた。
見た目だけで人は判断できない。目の前の少女がそれを証明していた。
「サポート中心なら先に云えっつの。…よっしゃ、勝ち目が見えてきたぜ」
バーダがばしりと両手を打ち合わせ、カロンが大きく頷く。
「麻痺もいっぱいあるよ♪」
してやったり、と思い切り書いてある顔で、ノアが私に笑いかけた。
出来て当然、と言う顔で頷いて答えたものの、内心おおいに感心していたことは気取られていたかも知れない。
「完璧です」
カロンはそう云うと、もう一度大きく頷いた。
勝ち目が見えてきた。バーダの言葉が私の心を奮い立たせる。
「さあ、今度こそ行きましょう。勝利するために」
カロンの言葉と共に、私たちはキャンプを走り出る。
今度こそ、ヤツを倒す。その為に。

意気揚々とキャンプから出てきた四人
カロンが角笛を出して言った。
『よし角笛を吹くぞ!』
ノアからもらった角笛を高々と上げ、吹きながら歩くカロン
そのかん高い音色に身震いをふしませるアプトノス達を横目に私は言った。
『カロン、まずリオレウスを見つけないと意味ないだろ。でも・・・どこにいるんだやつは?』
『俺達ははランポスを狩りに行った時に見ただけで主にどこにいるかは・・・;;』
バーダが答えた。
頭を伏せ悩む三人を見てノアが自慢げそうに言った。
『リオレウスには巣窟があるのですよ。そこを根城に空中を旋回しているはずです!!』
エヘンと胸を突き上げ三人に話す。
バーダが聞いた。
『その巣窟はどこなんだよ!?』
『確かあのへんのような・・・・・』
頭を少し下げ、一つつき上がって出ている丘を指差す
指を指した方向に皆で見上げるが、かなりの上空で雲に隠れて見えない
『ほれ、これでよく見えるだろぅ』
カロンがバックの中から双眼鏡を取り上げドーンに渡した
(眼鏡に双眼鏡・・・カロンってメガネ好き?)っと思いつつ私は双眼鏡で丘を見上げる
『ん〜、あんな上にいるのかやつは・・・私達を高みの見物か!』
カロンがノアに言う。
『しかしノアよく知っていたな。お前もやりあった事があるのか?』
『いぇ?ただ酒場にいたハンター風の男の人が親切に教えてくれたものでw』
「しかしそこにはどういったらいいんだよ!!」
バーダがまた頭を抱える。
私はハンターマップを取り出し確認をとる。
「うん、この地図からすれば、あそこは「エリア4と」となっている。ここから、もう少し北に行ったあたりだな。」
私が地図から顔をあげた時!
「あぶないっ!!ドーン!!」
ノアのかん高い声が丘に響いた。
どこに潜んでいたのか、いきなりランポスが私に飛び掛ってきた。
「うっ!」
不意をつかれた。しかし間一髪でかわすことが出来た。
私の右頬からつぅっと細い血が流れる。
「オイッ!!ドーン大丈夫か?!」
カロンが駆け寄った。
駆け寄るカロンに方向を変えた、ランポスがまたしても飛び掛ってきた。
次の瞬間「シャキシャキ―ン」と鋭い音したと思うと、
引き裂かれた、ランポスの死体が私の目の前に落ちてきた。
「こ、これは!!カロン、お、おまえは、双剣使い・・・」
「へっ!けがねえか?ドーン」
「ああ、大丈夫だ。」
私は驚きの混じった声で答える。
「みなさぁ〜ん、大丈夫じゃなさそうですよ〜〜!!」
ノアが楽しそうな声で叫んだ。
「まわりを、見てみな!!」
バーダがのんきそうに言う。
今までじだんだ踏んでいたバーダが、うれしそうに背中の大剣を とりだした。
私は、知らぬ間にランポスの群れに囲まれていることに、やっと気づいた。
「しまったっ!!油断していた。くそっ!!」
私は自分自身の不甲斐なさに腹がたった。
それを横目でチラっと見たバーダが、うれしそうに言った。
「まあ、いいじゃねえか!!肩ごなしになるってもんだ。はっ!! さあ、きな!ランポスちゃんよぉ〜!!」
そういうと、バーダは一人ランポスの群れに向走り出した。

その北西の空には、ドーン達を待ちかねるように
赤い竜が、舞っていた。


【第三章 そして・・・】

「さぁ、いくぜぇ!」
バーダの掛け声を合図に全員が動き出した。
「ふっ!甘い!この程度で!」
カロンは恐るべき速度でランポスを蹴散らしていく。
バーダもリーチの長さを生かして一度に何匹も切り裂く。
私も負けてられない。そばの一匹に切りかかろうとしたその時
「危ない!みんな伏せてぇぇぇ!」
ノアが叫んだ。反射的に伏せた四人の頭上スレスレをリオレウスが通過してそのまま着地した。
「で・・・でかい・・・。」
思わず後ずさりをしてしまう。しかしバーダの一言で恐怖は消え去った。
「負けられねぇ・・・。ぶっ殺してやる!おいてめぇら!特別ゲストのお出ましだ!歓迎してやろうぜ!」
最初に動いたのはノアだった。散弾をこめて3発連続で打ち込んだ。
「グ・・・グルゥゥゥゥゥ!」
リオレウスが咆えた。それを合図に私は動き出した。バーダの方に気をとられているやつに接近する。
そして飛びかかった!一撃、二撃、そして三撃目を打ち込もうとしたその時、やつの尻尾が迫ってきた。反射的に目をつぶる。
グギャァァァン!
金属のはじける音がした。目を開くといつの間にか回り込んだバーダが防御していた。
「へっ!防御もまともに出来ないのかい?」
にやりと笑って返す。その隙に股下にもぐりこんだカロンが乱舞攻撃を開始した。
「うおぉぉぉぉぉぉ!」
バーダは尻尾を切り落とすべく尻尾に切りかかる。
私は囮役となりやつの周りをうろちょろとしながら攻撃を繰り出す。
「みんな!気をつけて!ブレスがくるよ!」
散弾を打ち込んでいたノアが叫ぶ。
全員が反射的にやつから離れた。
そして次の瞬間、ものすごい速度で私の横を火球が通り過ぎた。
「みんな大丈夫か!?」
「あぁ!」
「おう!」
「うん!」
「ならば一気に落とすぞ!」
勢いよく斬りかかったのはバーダ。
「おらおらあぁ!モタモタしてると尻尾ブッちぎるぞ!」
その刀身が火竜の翼を縦一文字に切り裂いた。その瞬間火竜の翼爪が砕け散った。
火竜は凄まじい形相で睨みつけ、一声叫び、バーダに突進した。
バーダはしかめっ面で仰々しい赤黒い竜の顔を見つめながら、
「ちっ、来やがれってんだ。今度は顔にお見舞いしてやろうか?」
火竜の顔が迫る。その刹那、火竜の動きが止まった。バーダは驚きの表情で火竜を見る。
火竜は焦点が定まらず、足がもつれている様な状態だった。
「こりゃあ…。麻痺弾か!」
ノアが答える。
「ご名答」!麻痺弾は便利だよ。さぁ、今のうちに!」
バーダ、カロン、ドーンが、各々の武器を握り締め火竜に突っ込んでいく。
「うらあああぁ!」
バーダの大剣が火竜の顔をかすめた。顔の鱗が吹き飛んだ。
「はあああぁ!」
カロンの鬼人乱舞が火竜の足を切り裂く。
「せええい!」
ドーンの片手剣が火竜の尻尾の半ばほどの所を勢いよく斬りつけた。
「ギャアアアァァス!」
火竜の悲鳴が聞こえた。尻尾が千切れたのである。切り口からは燃えるような血が吹き出ている。
「よっしゃ!」
ドーンはガッツポースをした。火竜は痛みで目が覚めたのか、麻痺状態は解けていた。
火竜の口から火の粉が漏れ出ている。本気で怒っているようだ。
甲高い叫び声を一つ。その刹那、人と見まごうばかりの大きさの火球が飛んできた。
ドーンは恐怖から目をつぶりそうになった。が、その時。
ガキイイイィィィン!
「ふーう。あぶねぇな。え?凄腕ハンターさんよ?」
バーダだ。身を挺してドーンの前に立ち、その巨大な剣で、火球を防いだのだ。
「あ、ああ。ごめん。助かったよ。ありがとう。」
心底安心した顔を見せるドーン。もう強張った表情はない。
「さあ、やられっぱなしは性に合わない!反撃しなきゃね。」
武器を強く握り締め、ドーンは、ノアとカロンに気を取られている火竜に突っ込もうとした。だが、 「ぐっ…。」
バーダが苦渋の表情を浮かべる。見ると腹部の鎧の間から血が流れている。
火竜の血ではない。脳裏によぎったのは最悪の展開。バーダは被弾していた。
血の匂いを嗅ぎつけたか。火竜の目線がこちらに向く。まずい。ドーンは思った。
火竜の口から、先ほどよりも大きな灼熱の火球が飛び出してくる。それは確かに、
負傷しているバーダに向けられていた…。
「くっ!避けられるか!?」
バーダが声を漏らす。
(二度助けられたんだ。今度は私が!)
バーダの前方に回りこみ盾を構える。次の瞬間、ものすごい熱気が私を包んだ。
「ぐうぅぅぅ!あ、暑い!」
しかし次の瞬間、一発の銃声とともに火は消えていた。
カロンがノアに向かって叫んだ。
「一体何をしたんだ?」
ノアが自慢げに答える。
「水冷弾!使い方はちょっと違うけどね!」
まったくノアには感心してしまう。
私は状況を確認した。両足に軽い火傷を負ったらしい。しかし致命傷にはまったくならない。バーダに声をかける。
「大丈夫か、バーダ。」
「あぁ。今薬草飲んだところだ。痛みもひいてきた。」
「そうか、ならばよかった。」
そして言葉を続ける。今度は私が言う番だ。
「それと・・・。防御もろくに出来ないのかい?」
バーダはやはりにやりと笑った。
「お〜い!みんな!終わったんならこっち手伝ってくれ!」
カロンの声だ。
みるとリオレウスがまた麻痺している。カロンは足元で何かやっている。
バーダと駆け寄り覗き込む。
カロンは大タル爆弾をセットしていた。
「なるほど。」
状況を理解した私とバーダもセットを始める。
これでやつの足元には6個の大タル爆弾が並んだ。
その時、耳をつんざくような咆哮が響き渡った。リオレウス麻痺がとけたのだ。
「みんなはなれてぇぇぇ!」
ノアが叫ぶ。私達三人はノアの方に走り出す。
次の瞬間、爆音とともに爆弾が爆発した。ノアが狙撃したのだ。
「ぐるぅぅぁぁあ!」
リオレウスは直撃を食らってもがいている。
そして足を引きずりながら私達から離れていく。
「まずい!やつは逃げるつもりだ!」
「うりゃぁぁぁぁー!」
いの一番に飛び出したのは私だった
やはり依頼主なのに助けられてばかりで少しプレッシャーを感じていたからだ。
「くっ!」
風圧で近寄ることすら出来ない
「コレを逃したら次はない。」
ノアがリオレウスに標準を向けるがドーンが邪魔で打てない
焦るドーンを残等のランポスが木の陰から狙っていた
「あぶない!」
カロンが飛び掛る
私の胸元をあと数センチで刺さっていただろぅってとこでカロンがランポスをとめる
「なにをやっている!リーダーさんよ、周りをちゃんと見ろ!!」
ふとわれにかえり周りを見渡すと
被弾を受け傷だらけのバータ
ボロボロで刃こぼれをしているカロンの双剣
きがつくとリオレウスはかなり空のかなたに飛び去っていた。
ノアが言う。
「とりあいず体勢を整えましょう。たぶん巣窟に行ったはずですからすぐに見つかります。」
冷静になり少しに落ち込んだ。
バーダ身を引きずりながら言う
「ドーン、確か森の奥に手を貸してくれる知り合いがいるんだ」
カロンが双剣をしまいながら 「そうだなバータもそんな体だし・・・そこに行くか」
少し頭を悩ませたが、とりあいず二人に従おうと頷くドーン
「とりあいず俺が案内するよ。こっちだ」
カロンが先頭に森の中に入っていく・・・


【第四章 森にて】

森を少し歩くと、4人は少し開けた場所に出た。
みんな、先ほどのレウスとの激闘で疲れきっているみたいだ。
「おい、みんなもう少しだ。左の方に細い道が見えるだろ。
あそこを抜けた先に小屋があるんだ。」カロンが言った。
見ると、そこは道というよりは木々に覆われたトンネルが
森の奥の方へと続いているようだった。
「バーダ、さっきは私の為に怪我をさせてしまって・・すまん・・。」
ドーンがうつむきながら言った。
「へっ、なあに気にするようなことじゃねえぜ!!これくらいの怪我
は、覚悟のうえってもんさ!!。」そう言いながら、腹を叩いた。
「あいてて。」まだ傷が少し痛むようだ。
「ウフフッ!無理しちゃってぇ!!でもあんな凄い火球をまともに
受けて、生きてるなんて、さすがバーダね!!」
「ちげえねえ、こいつは人間じゃねえな。ハハハ。」
「ちぇっ、好きなように言いやがって。まあ、その通りだがな」
3人の会話に、いつもの雰囲気が戻ってきたようだ。
ドーンが、木の枝をポキっと折って言った。
「だが、やはり奴は強い!4人があれだけの攻撃をしたというのに
倒れないうえに、まだ飛べるというのか。・・・・なんていう奴だ」
「いや、ドーン。俺たちの知る限りでは奴は今手負いの火竜のはずだ。
奴にとどめを刺すには、グズグズはしていられないんだ。」
カロンが言うと、バーダが続けた。
「ああ、そうだ。今が奴を倒すチャンスなんだ。だから小屋で 準備をさっさと済ませたら、奴のいる巣窟に向かうぜ!!
そこで、俺たちの仕事も終わりさ!!」
「そ〜言うことっ!!」ノアが片手をあげドーンに微笑んだ。
その頃には、既にトンネルを抜け、カロンの言う小屋のすぐ手前まで来ていた。
目的の小屋に到着したドーンたちは小屋の中に入る、しかし、バーダやカロンの言う知り合いらしき人物はどうやら留守のようだ。
「くそ!何処行ったんだ! こんな時に・・いててて」
「だめですよ!声を出しちゃ!」
「ああ・・・わりぃ、俺はここで少し休むわ」
薬草で傷は治りかけているが体力は相当消耗しているようだ。
「それがいい、俺たちはお前がここで休んでいる間、あいつを探してくる」
「え!でも一人残していくなんて・・・」
ドーンが心配そうにそう言った。
「心配すんな!早くあいつを探して来い!」
「でも・・・・」
「いいから行け!」
「わかったよ・・・」
バーダを小屋に残し三人はカロンを先頭に歩き出した。

「ねえ、その森の中の知り合いってだれなの?」
ドーンが不安げにそう言った。カロンが静かにそれに答える。
「本人の本当の名前は知らないが森爺と言う気前のいい爺さんだ」
「森爺?」
ドーンは心あたりが無いようだがノアは如何にも知っているっとゆう顔をして言う。
「そのお爺さんには私も一度お会いしたことがあります、あの時は色々な物を交換してもらいました」
「交換だけ?」
「いいえ、それ以上に色々な知識を持っているお方なんですよ!」
「へぇ〜、じゃあその爺さんと何かを交換して飛竜の巣に行ける道具をもらう訳だな?」
ドーンの問いにカロンは答える。
「大体は当たっているが交換してもらうのは道具じゃない」
「えっ、じゃあ何を?」
「! もうすぐだ!」
カロンがそう言うとドーンとノアは辺りを見渡す、するとそこは、さっきまで歩いていた森とは雰囲気が明らかに違っていた、鳥の鳴き声も風のせせらぎも聞こえず、不気味に静まり還っている。
「こっちだ!」
カロンが二人を呼び奥へと走っていく、二人もそれを追い森の奥へと走る。
「ねえ、カロン!本当にもうすぐなんだな? だいぶ走ったぞ?」
半信半疑でドーンが問う。
「ここだ!」
ドーンの問いにも答えずカロンが急に立ち止まる。そこには大きな広間が広がっていた。
「なんだここ!?」
「すごいですね・・・すごい神秘的・・・」
ドーンは驚いた顔でノアは惚れ惚れとした顔でそう言った。それもそのはず、さっきまでの不気味さはそこには無く、神秘的な空間が広がっていた、言い換えれば幻想空間・・・。
「おい!森爺!居るんだろ?頼みがあるんだ!出てきてくれ!」
カロンの叫んだ声が不思議と木霊する。しかし返事は無い、カロンは何度も叫ぶが結果は同じだった。
「居ないんじゃないの?戻ろうよ」
「いや、居るはずだ!小屋に居ないならここしかない」
「けど、いくら森爺って言われててもいつもここに居るわけじゃないと思うよ」
ドーンの言葉にカロンは気を落とした、それに追い打ちを賭けるようにノアが言う。
「そうですね、お爺さんが此処に来るまで待っている訳にはいきませんので戻って他の方法を見つけましょう」
落ち込むカロンを宥め戻ろうと広間に背を向ける その時!何処からか声がした。
「なんじゃ? おぬしら、迷子か?」
如何にも爺さんと言わんばかりの声だ。三人は辺りを見渡す、だが何も居ない。
「ここじゃよ」
三人は目線を下げる、そこには異様な爺さんが立っていた。
「!!!」
それを見たドーンが一言。
「なに? この変な生き物は・・・」
 「・・・へ、へ、変な生き物じゃとぉ〜〜ッ!」
 森爺と言われる、爺さんは様相からは想像出来ないほどの、甲高い声で叫んだ。
 「お前らがワシに用があろうとも、ワシは用はない、さっさと出て行け、この場から立ち去れッ〜〜」
 どうやら、ドーンの一言が森爺の逆鱗に触れてしまったようだ。
 「森爺・・・・今の発言は済まなかった。」
 カロンはすかさず、謝罪した。
 「すまない、すまなかった・・・」
 それにつられる様にドーンも、謝ったが、森爺はまだ、むくれっつらのままだ
 暫く、静寂の時間が続いた・・
 しかし、森爺が何か辺りを気にし始め、それは徐々にドーンの周りを、何かを嗅ぎ分けるような行動になっていった。
 動きが止まり・・・森爺は、
 「・・・・むむ・・・・・・むぉぉぉぉ〜〜!」
 突発的に奇声を発した。
 「むぉ〜〜ッ!お前さん、いいものもっとるようじゃのぉ〜」
 森爺は、ドーンを舐める様な視線で見ている。
 「えッ!」
 ドーンは一瞬戸惑ったが、これはチャンスだ、瞬時に判断しバックの中身をその場にぶちまけた。
 自分が見る限り、そこによいものなど無いとは思う、ドーンではあったが、森爺は
 「これじゃ〜これじゃ〜!」
 とある散らかっている持ち物の中から一つを取り上げた。
 「む・・・・虫の・・死骸・・・」
 森爺は、手にした虫の死骸を持って、跳ね回って喜んでいる。
 それにつられるかのように、ノアも跳ね回っている。
 「森爺最高〜〜っ!」
 ドーンは目の前が暗くなる思いがした。
 森爺は、跳ね回るのをやめ、
 「そうじゃ、これを貰った変わりに、お前らの話を聞いてやるぞ。なんでも聞けッ!」
 ドーンとカロンは安堵の表情を浮かべた。
 ノアは相変わらず、跳ね回っていた。
 「森爺、頼みがあってやってきました。これからリオレウスを仕留めに行きます。例のものを譲っては貰えないだろうか?」
 カロンはそういって頭を下げた。
 「ホッホッホッホ〜、レウスをやりにいくとな。じゃこれじゃな・・」
 というと、森爺はカロンにあるものを手渡した。
森爺からもらった物を片手に嬉しそうにカロンが叫んだ。
「よし! これだこれだ!」
カロンの両脇にいる二人がそれを覗く。
「これ!地図じゃあないか!」
「えっ!」
ノアがカロンの手から地図を取り上げて真剣な眼差しでそれを見つめる。
「すごい・・・この地方の到る所まで緻密に調べられてる・・・わぁ〜すごいすごい!」
ノアは地図を見ながらまた跳ね回り始めた。
「そんなにすごい地図を一体どうやって?」
ドーンが森爺に聞いた。すると森爺は・・・。
「ホッホッホッホ〜、おぬし誰にものを聞いておるかのぉ〜、このワシはこの地方・・・いや森のことなら何でも知っておる! そんな物を作成することなど蟻を踏み潰すが如く簡単なことじゃ!」
そう言うと森爺はノアと同じように跳ね回り始めた。自分の作った物が絶賛されて歳に似合わず嬉しかったようだ。
「あっ!」
さっきまで跳ね回っていたノアが地図を見て何かに気づき立ち止まった。
「これ・・・確かに色々なルートが緻密に描かれているけど肝心な飛竜の巣に行くルートが書かれていない!」
それを聞いて驚いたドーンとカロンはノアが持っている地図を覗き込んだ。
「本当だっ! 巣の近くに書かれているものと言ったら、この赤い矢印しかない!」
三人は森爺に問い正した。
「どうゆうことですか!? 他の所はすごく緻密にルートが書かれているのにどうして飛竜の巣だけ何も書かれていないんですか!?」
ノアがそう言うとドーンとカロンが続いて・・・。
「そうだよ! どうしてなんだよ!」
「森爺・・・巣へのルートが見つかって地図に記したと前言っていたじゃあないか!」
怒る三人の問いに森爺はこう答えた。
「まあまあ、そんなに怒るんじゃあない、ルートならちゃんと印してあるじゃろうが」
そう言うと地図を取り指差した、その先には、さっきドーンが言っていた赤い矢印が印されている。
「その矢印の地点から登るのじゃ、これを使ってのぉ」
森爺はバックから何かを取り出した。 よく見るとそれは見たこともないピッケルだった、全部で16個で二つの種類に分かれている、一つは手に取って使う物のようだ、
もう一つは足に装着するように設計されている。
「登山用ピッケルじゃ、それを使って登っていくんじゃよ」
訳が分からずドーンが疑問を投げかける。
「はぁ?こんなんなら赤い矢印の場所なんて行かなくてもいいじゃない」
「何も分かっておらんのぉ〜おぬしは・・・いいかのぉ、飛竜の巣山の岩壁の表面はとても崩れやすいのだ、しかし矢印の地点・・・
そこだけは他と違う鉱石で出来ていてのぉ、崩れずに登れるのじゃ!」
それを聞いて三人は高まる高揚で胸がいっぱいだった。
「そうじゃ! 餞別じゃこれも持って行け」 
森爺は「ほれっ、」と言って、黄色の玉をドーンに手渡した。
「カロン!これは一体なんだ?」
ドーンがカロンの顔の前に
黄色い玉をさし出した。
「これは、閃光玉さ、ドーン。これを相手の視界で爆発させれば、気絶させれるって寸法さ!!」
カロンが言うと、
「でも、レウスはもうさほど、体力は残っていないはずだろ?なぜ、こんなもののために・・・」
ドーンがそこまで言うと、ノアが言った。
「あのね、ドーン、今レウスはたぶん、巣窟で休んでいるはずなの、今を逃すことは、絶対できないわよね。わかる?」
「ああ」
「でもあの巣窟には、いつも数匹のランポスがいるわ。レウスにとどめを刺すには、あのランポスは、必ず邪魔になるはずよ。
ねっ!そうでしょ、カロン。」
「その通りだ、ノア。ドーン、俺は今回はどんなことがあっても、
奴を仕留めたいんだ。ここまできてランポスごときに邪魔されたくないんだ。取り越し苦労かもしれないが、俺はおまえ異常に奴を倒したいと
思っている。ただそれだけだ。行くぞ!!ドーン、ノア!!ありがとよ!!じいさん!!」
と言うとカロンは、小屋のある方へ
走り出した。
「あ、待ってぇ〜カロン!!」
ノアも急いでカロンの後に続いて走り出した。
「それじゃあな!じいさん!!レウスの断末魔の叫び声がすぐ、
聞こえてくるはずだ!!」ドーンが珍しくウインクを森爺にすると、
ドーンも駆け出した。
「うにゃうにゃ、なんと忙しい奴らじゃ!うぬ、じゃがあの者達なら、レウスを本当に倒してしまうかも知れん。
今までの、ハンターとは、目が違っておったわい。幸運を祈っておるぞ!!」
森爺は、そう言うと自分の若い頃に似た若者達を見送った。
森爺から飛竜の巣に登ることが出来る道具、登山用ピッケル、この地方の地図と閃光玉を受け取ったドーンたち、
これでリオレウスを倒すことができるっとゆう心の高ぶりを必死に抑えバーダの待つ小屋へ向かっていた。
「なあ、バーダの奴あれからどうなったかな?」
心配そうにドーンが並んで走っているノアにそう言った。
「わかりません・・・でもきっと大丈夫ですよ! レウスの火炎を食らってもぴんぴんしている人ですよ!」
「そうだね・・・そうだよね!」
そう言って走っている間に小屋に到着した。小屋にはドーンとノアの先を走っていたカロンがすでにバーダとこれからの経路について話し合っていた。
「よぉう、ドーン、ノア! 元気だったか?」
ドーンが呆れた顔で答えた。
「それは こっちの台詞だ!」
ノアがそれに続く。
「そうですよ! 休んでいなくていいんですか?」
「おうよ! オレ様を誰だと思っている! この御バカどもが〜、がっははは〜」
「なっ!なんですって〜!」
そのやりとりにカロンが割ってはいる。
「おい!やめろ! 早く出発しないとレウスが回復してしまう! 今までの苦労を無駄にする気か!」
その言葉を聞き、冷静さを取り戻す三人。
「そうですね!この地図に印してある赤い矢印の場所へ急いで出発しましょう!」
・・・・・タタタタッ急いで飛竜の巣に向かう四人。しかししばらく進むと妙な歌い声らしき音色が聞こえてきた。
「にゃにゃにゃ〜♪にゃにゃ〜っ♪ぎゅりゅりゅぅぅ♪」
バーダを囲むように猫らしき生き物が二足歩行で踊っていた
「な、なんだこれは!」
ドーンが身構える
円の中ではバータが困惑したようにこちらを見て
「たっ助けてくれ〜〜〜!お、俺は猫がダメなんだよぅ〜〜」
ノアが飛び跳ねながら
「かっっっわいぃぃぃぃ〜〜〜!!・・こっちよこっち〜♪」
ノアの呼び声と同時に二足歩行の生き物の視線がこちらに向いた
カロンが問いただす
「だっ大丈夫なのか?」
「大丈夫よ♪危害を加えない限り害はないわw」
一匹の生物がノアに近づきしゃべり始めた・・・
「・・・にゅぅにゅにゅ、にゃ〜にゃにゃにゅぅ〜・・・」
「へ〜・・・、・・・・・うんうん♪」
二人の話してる内容は全く私達にはわからなかったがノアは理解してるようだった
「カロンあれは何?」
ドーンが聞く
「ん〜あれか?たしか獣人族って言う種族だ、よく俺達ハンターの世話をしてくれるんだが俺達はどうもあいつらが苦手でな・・・」
「ふ〜〜〜ん・・・」
よくわからないが敵では無いとわかり剣をしまうドーン
相変わらず二人は楽しそうに話している視線を延ばすと
今にも泣き出しそうなバーダが・・・
「は、はやくしてくれよ〜;;
こいつら急に地中から出てきたと思ったら俺の回りまわりだやがって。」
「ごっめ〜んごめん♪久しぶりに会ったんで話し込んじゃったw」
楽しそうにノアがしゃべり始めた
「にゅにゅにゅ?にゃ〜・・・」
「・・うん♪、えっとねバータ黄色もじゃもじゃしたやつもってる〜?」
「な、なんだよそれぇ・・そんなもんもってね〜よ」
必死に体をよじらせ探すバータをみて
(バータにも苦手なものがあるのか〜)と少し含み笑いをする
「カロン、なんであいつ達が苦手なの?」
「・・・てかなあいつ等にはよくお世話になってるんだが中に黒いやつがいてな。」
少し嫌げそうに話し出すカロン
「ふんふん」
「そいつ等手癖悪くてな〜。俺達リオレウス狩ってる時に高級焼肉セット盗まれちまってな、でっ落ち込んでるときに、どかん!!」
「いったそ〜・・・」
「それからバータのやつ猫を見たときはいつも夢に出るらしいぜ
。あの猫が・・・・」
バータに目をやるとまだ体を捻らせていてたこ踊りのようにも見えてきた
「・・・にゃ!!ニャニャニャ!!!きゅごるぅごるぅごるぅる♪」
突然回りの猫達が騒ぎ出しバータに近寄る
「くっくるな〜くるなくるな!!」
「ああぁ〜それそれ♪その腰の横に落ちてるやつよw」
這い蹲りながらこちらに寄ってくるバーダ
「はぁはぁはぁ;;なんなんだよあいつら」
「マタタビよ、あれの臭いに誘われてきたんだって♪」
「さッさっとここを行こうぜ。もうこりごりだ」
少し可愛そうにも見えてきたバーダを先頭に小屋を出ようとすると・・
「にゃ〜!にゃにゃにゃ」
「ん、どうしたの?」
またわけのわからない言葉を二人が話し出す
「・・・ほんと!あっりがとぅ〜♪」
「なんていってるんだ?」
問いただすカロン
「この子達が近くまで案内してくれるんだってw」
真っ青な顔をしながらバータが判労する
「だめだ!だめだめだめ俺は絶対反対だからな!!!」
「いいもんね〜、ねっ二人はどう思う?」
バーダを見ると必死な顔をして断れって顔でこちらを見る視線を外しながらカロンに合わせ
「い、いぃんじゃなぃかな〜・・・」
「・・・・・・・・。」
カロンは無言に背を向け
「じゃっっきまりね〜w」
「Noooooooooooooooooooooooooooooo!!まじかよ無理無理だって」
バータの声がむなしく響き渡る
「だってあの丘に行くときでっかい虫がいるんだよ?」
「知るかよ!!そんなのっ!無視、虫だけに無視だよ無視」
その場の空気が静まり返る
「私虫嫌いだし〜、この子達がこの紫球投げてくれて退治してくれるって言うし〜♪」
「ぬぐっ!;」
「あなたは人の恩義をあだで返す気!?」
(こいつ等は人なのか)と思いつつたじろくバータ
「そういうわけで行きましょ♪」
怪我は治っているだろうと思われるが、まだ重々しく歩き出すバーダ、そして四人は巣窟へと向かう。


【第五章 再戦】

数分後、飛竜の巣に着いた四人はネコ達にお別れをして崖を登り始めた。
バーダ、カロンはすいすいと登っていくが、私とノアはなかなか上手く登れない。ノアが愚痴をこぼす。
「待ってよぉ〜!そんなに急がないでよぉ〜!」
バーダがすかさず反論する。
「お前が急ごうって言ったんだろうが!」
どうやらさっきのことをまだ怒ってるらしい。
バーダとカロンはすでに登り終えて上から見ているだけだ。私はあと少し、ノアはやっと三分の二といったところだろう。
私も無事に登り終え、後はノアを待つばかり。その時、一頭のランポスが巣から出てきた。
「クウェ!クゥゥェ!」
ランポスが咆える。しかし次の瞬間、カロンによって八つ裂きにされた。カロンが言う。
「まずいぞ。今のでやつに気づかれた可能性がある。急ごう。」
ようやく登り終え、休みたいと言うノアを無理やり引っ張って巣に入った。
「グゥゥゥゥ・・・・。グゥゥゥゥゥ・・・。」
リオレウスは眠っていた。しかし次の瞬間、ランポスたちの声が巣の中を飛び交いリオレウスは起きてしまった!
「グル・・・?グルルルルゥゥゥ・・・」
状況の判断が出来ていないレウスに私達は攻撃を開始した。
カロンが閃光玉を投げてランポスの動きを止めた。
私とバーダはリオレウスに切りかかる。
そしてノアは拡散弾を上手く背中に当ててダメージを与える。
リオレウスは振り向いて突進してきた。避けきれずカロンが食らった。
バーダが叫ぶ。
「カロォォォーン!!大丈夫か!?」
「あ・・・あぁ。なんとかな。アバラの一本くらいは折れたかもしれない。」
カロンが答えた。その間にやつはノアを攻撃対象に選んで火球を放とうとしていた。
とっさに私は叫んだ。
「ノアァァァ!避けてぇぇぇ!」
身をうずくませ皆がダメだと思った瞬間
目をくらませていたランポスがノアの前に立ちはだかった
「どーーーーーーーーーーん!!!!!・・ギュェグッ」
まだ周りの状況が見えていないのだろう
間一髪のとこでノアは助かった
「あっぶな〜いぃ、もぅほんと怒ったもんね!」
ごそごそとなにやら組み立て始めるノア
その間に3人がリオレウスと奮闘している
「ノアなにをしているんだ援助してくれ!」
ランポス達が意識を取り戻しつつバータが叫ぶ
「ちょっとまってー、カロン隙を見てこっちに着て!」
なにやら大きなネットがノアの周辺を覆い隠す
「・・・はぁはぁ;なんだよ?やられるぞ。」
「ok!じゃカロン合図したら角笛吹いてねw」
狭い洞窟の中をリオレウスが空中に舞い
ランポス達を蹴散らす中
「はぁ〜?なんでこんな時に・・今は戦闘に集中しろよ!!」
「いいからぁ〜。お・ね・が・い♪」
「くっ!;早くしろよ!!」
私は背後に回りこみ背中めがけて切りかかる
「なにやってんのよ!また逃げちゃうよ!?」
「ごめん!?じゃいくね〜」
ノアが鬼人・硬化弾を私達にかけると同時に
「カロン!」
「プゥゥ〜〜〜フフゥゥ〜〜」
かん高い音が洞窟中に響き渡りリオレウスがたじろく
間髪入れない間にカロンにギッッとにらみ走り出した
「カロンやべぇ!!にげろ」
バーダが追いかけるがさすがにリオレウスの早さには勝てない
「ド〜〜〜〜ン!!」
カロンの目の前
次の瞬間大きな音が響き渡る中、白煙がたちこもった
見ると地面に穴があき、リオレウスがしっかりとはまっている。しかし土煙でまだ視界が悪い。
ノアがすばやく指示を出す。
「ドーンとカロンはランポスの駆除お願い!私とバーダでやつを攻撃するよ!」
早速ランポスの駆除に取り掛かる。一頭、二頭とランポスが減っていく。
この間にもバーダとノアがリオレウスにダメージを与えているはずだ。
視界が少しよくなった。リオレウスの全貌が見えるようになったその時、バーダが斬りつけた瞬間に、やつの体が少し浮いた。
(・・・なに?おかしいぞ・・・?まさか!)
「ノア!バーダ!落とし穴からやつが抜け出そうだ!」
「了解!」
バーダは叫んで離脱した。そしてやつは空中に飛び上がりそのまま着地した。口の端から火の粉が出ている。怒っているようだ。
そしてノアとドーンは気付かなかったが、カロンが腕から血を流しながら片隅で膝をついていた。それを見たバーダは怒りに震えた。
「もういっちょいくよぉ!」
ノアが元気よく叫んで二つ目の落とし穴の準備に取り掛かった。
しかしリオレウスに背を向けた瞬間、またもやノアに向かって火球が放たれた。
「ノア!よけてぇ!!!!」
その必死の叫びに反応し、ノアが身構える。そしてレウスが火球を吐いた!
「はっ!」
間一髪の所で避けることに成功した。
「うおぉぉぉぉ! よくもカロンを!」
バーダが我を忘れて切りかかる。それに気づいたレウスが尻尾をバーダめがけて振る!
「危ない!」
ノアの叫びも虚しく、バーダが壁に叩きつけられた! それを見たドーンはノアに指示を出す!
「ノア! 麻痺弾だ!」
それを聞いたノアが麻痺弾を発射した!
「グオォォォォン」
レウスが麻痺した! 今だ!ドーンは奴の頭に切りかかり目を切り裂いた! その時だった! ドーンの心に何かが圧し掛かる! 
「なんだ!」
レウスの様子がおかしい! よく見るとレウスの外見の色が青く変わり始めた
レウスの体が、見る見る青く変わっていく!!
4人共、今、目の前の出来事が信じられない、といった表情で、
全員の動きが止まった。
「これは、一体どういうことだ!!」ドーンが叫んだ瞬間!!
麻痺のとけたレウスが、吼えた「ギエェェーッ!!」
あきらかに、叫び声も違う。
「リ、リオソウル・・・?」ノアがつぶやいた。
「ま、まさか・・・」倒れたままのバーダも自分の目を疑った。
そんなことも、おかまいなしにドーンがリオソウルめがけて
飛びかかろうとした。
「やめろっ!!ドーンッ!!!」バーダが叫んだ。
リオソウルの口からドーンめがけて、物凄い勢いで火球が
吐き出された!!
「ドーンッ!!」3人が一斉に叫んだ!!
火球は、間一髪ドーンの左肩をかすめ、ドーンの肩当と頭に巻いた
バンダナを消し飛ばした。
もし、片目を潰していなかったら、間違いなくドーンに直撃いていた
ことだろう。
「うっ、!コイツーッ!!」なんていう気の強さ。
ドーンは、すぐさまリオソウルに切りかかっていった。
ノアがすかさず援護する、しかしもう弾は残り少ない。
カロンも残り少ない体力で、ドーンと一緒に飛びかかった。
すばやい動きで、攻撃をかわしながらカロンとドーンの二人は
数え切れないほどの、攻撃を叩き込んでいる。
その時!ソウルが翼を開きかけた。
「あっ、あぶなーい!!バックジャンプブレスがくるぅー!!」
ノアが叫んだ。「なにっ!!」ドーンはなんのことかわからない
ようだったが、カロンは、覚悟した。
「だめだ、今度はさけられない!!」カロンはドーンをいきなり
抱えこんだ。「な、なにを!!」しかし次の瞬間、信じられない
ことが起きた!!ドーン達に覆い被さっていたリオソウルの
大きな、体がゆっくりと傾いていく。
そして、ドサーッという音とともにリオソウルが、倒れた!!。
「一体どうしたってんだ?」
「なんなんだ」と驚いたドーンとカロンの目のさきには、大剣を担いだ バーダの姿があった。

「・・・・ふははは、けっリオレウス。ソウルだっけ?まぁ雑魚だったな」
高々と上げた大剣はリオソウルの脳天を突き刺していた
そのすらりと伸びて電気を帯びた大剣思いだした!!
【斬破刀】
なだかるハンター達がつかっているがその扱いは難しく
刀身を触れば体中を電気が走り、その細く長い剣はもろく常に研磨でとがなければすぐに朽ち果てるそうだ
「バーダその剣・・・どこで手に入れたんだ?」
リオソウルが倒れる衝撃で立ち上る煙を避けるように聞くドーン
「そりゃハンターに命をかける者だぞ?」
そういうとすっとリオソウルの頭から剣を抜きすぅ〜と剣を見上げる
「まぁ地道な努力と俺の強さの証かね・・・・」
「ギュ・・ェググッ・・・、ギャーーー!!」
倒れたかと思ったリオソウルがこちら側をにらむ
お構い無しにカロンが背中に止めを刺す
「ふぅ〜たっく。いっつも最後のしめは俺なんだからよ・・・・」
まるでいつものように不満そうにカロンが言う
リオソウルの断末魔が洞窟中に響き渡る
するとリオソウルの変色した鱗がまた青色から赤に変わっていった
「すまんすまん。まぁいいじゃね〜かやったには変わりないんだからよ」
「しかしなんでまたこいつ色が変わったんだ?」
ドーンの問いに三人が頭を抱えているとき、ノアがなにやらとがった鱗を持って
「これじゃない?」
「ぅん?なにそれほかの鱗と少し違うね?」
ドーンが手に持ち触ると大きく針のような部分がありすべすべしていた
カロンが何か思い出したかのように
「逆鱗か!いつの間にか剥ぎ取っちまってたんだな」
「・・・ったはぁ〜〜〜、なんてこった俺達とんだ大物狩ったもんだ」
顔をあげ大笑いするバーダ
「なになんなのさ?」
ドーンが問いただす
「いやね逆鱗のある飛龍は成龍と呼ばれていて、大人になる龍なんだけどその龍はめったにいなくてな〜」
間髪いれずにカロンがバーダの助言をする
「要するにだ、俺達はその大人の龍の逆鱗を取っちまったってことだ」
「だからなんなのさ!?」
「まぁ細かいことはいいじゃね〜か、俺達は滅多に御目にかかれない龍を倒したんだからよ!」
「そうだな・・・はっはっはっは〜!!!、」
笑う二人がどうも疑問に残るが視線を外し洞窟の外に向けるとノアが
「こっちこっち〜♪・・・」
大きく手を振ってこちらを呼ぶ
「にゃにゃにゃ〜♪・・・」
「げっ!なんでまたいるんだよお前達には用は無いんだかえれかえれ!!」
勝ち誇ったバーダの顔が一瞬でさめた
「いいじゃなぃ〜、この子達が荷物車で私達をキャンプに送って行ってくれるって言ってるんだから」
「いやだね。俺は走る!じゃな〜お前等」
ノアの話も聞かずして洞窟を走り去るバーダ
「ドーン今日はありがとないい経験だったよ」
「なにいってるんだよカロン。こっちが世話になってるばかりで・・・・」
「まぁ今日の戦利品はこの逆鱗ってことでいいか?」
「いいけど・・・それだけでいいのか?」
「カロ〜ンなにやってんだ!いくぞ。かえって酒だ酒」
駄々をこねる子供のようにこちらに呼びかけるバーダを見て
「あぁ〜ありがとな、じゃ行くわ。またアーヴでな」
手を振り走り去るカロン
「もぅ〜なんで二人は先に行っちゃうのよ」
ふてくされるノア
「まぁいいじゃん、帰ろ」
猫荷物車にゆられながら大空を見上てキャンプに戻るドーン達
すがすがしい風が傷跡を横切りながらなんともいえない達成感と満足感に浸っていた
 

【少女達の帰還】

ドーンとノアがハンターキャンプに着いた頃には、もう日が沈みかけて
いた。
ドーンは、今までに体験したことのない壮絶な戦いを思い出し
北西の空を振り返った。小さな星がひとつ、二人を見送るかのように
瞬いている。
「ねえ、ドーン。これからどうするの?もう帰っちゃうの?」
キャンプをあとにすると、ノアが尋ねた。
「ん、そうだなあ、ノアはどうするんだ?」
その言葉を待ってたとばかりに、ノアが答えた。
「ねえ、町の酒場へ行きましょうよ!!。バーダ達も行ってるし、
きっと今頃、大騒ぎしてるにちがいないわよっ!!」
ノアは、もう行く気十分の様子だ。
「けど、ノア。バーダもカロンもかなりの怪我してたんじゃないか?
ん・・・けど酒場で会おうぜって言ってたな、あのふたり。」
ドーンが少し首をかしげながら言った。
「そう、そう!あの二人には、あそこが一番お似合いだもの!!
ねっ、私達も行きましょう!!」ノアが顔を覗き込むよにして言った。
「ああ、じゃあ私達も行ってみよう。喉もかわいたことだしな。」
「あたしは、もう、おなかペッコペコ!!」
その時ふたりのお腹が同時に「グウゥ〜」と鳴った。
「キャハハハ」顔を見合わせ、大笑いする二人。ついさっき
恐ろしい火竜と戦ってきた面影などなく、只の少女そのものだった。
激しい戦いのことは、忘れたかのようにおしゃべりしながら歩く
二人の目に彼女達を待つ、街の灯りが見えてきた。


ドーンとノアは満足感と達成感に浸りつつ、このクエストの疑問について話し始めた。
「ねえ、なんでレウスの色が青く変わったんだろう?」
ドーンがそう聞くとノアは何やら考えた顔で黙り込んだ。
「ねえ?どうしたの?」
心配そうなドーンにノアが口を開く。
「知っています・・・なぜこんなことが起きたのか」
「えっ!」
意外なノアの言葉に驚くドーン。
「知っているって何を?」
この問いにノアはこう答える。
「それは私の幼少時代にさかのぼります・・・」
そう言うとノアは自分の過去のことを語り始めた。


〜10年前〜

そこは人里離れた山奥の小さな村、畑には果実が実り風はやさしく人の肌をつつみ込む、時は夕暮れ子供たちが村の近くにある湖の畔で遊んでいる。

活発な男の子「よぉし!いくぞ〜!」
気弱な男の子「ねえ〜もう帰ろうよ〜ねえ〜ねえ〜」
活発な男の子はそれに耳も傾けない。
活発な男の子「とぉう!」
湖に石を投げつける。
気弱な男の子「もういい、僕 先に帰る!」
哀訴が尽きたのか気弱な男の子は村に帰っていく。
活発な男の子「あっ!待てよ〜」
活発な男の子は釣られて村へと帰ろうと走り出すが何を見たのか、立ち止まった。
活発な男の子「おい!お前は帰らなくていいのか?」
言葉を向ける先には黙って夕日を見つめる女の子が立ってる。女の子は活発な男の子の言葉を聞いてこう返した。
女の子「私はまだいい!」
女の子はそう言うとその場に座り込んだ。
活発な男の子「お前、今日誕生日なんだろ? ・・・まあいっか」
活発な男の子は不思議な顔をして村へ帰っていく。
女の子「・・・・・・・・・・・」
こうして黙り込んでから一時が経った時、女の子にひとりの老人が近づく。
老人「ノア? こんな遅くに此処で何をしているのじゃ?」
ノア「あっ! 長老の爺!」
そう言うとノアは悲しそうに長老に駆け寄る。
長老「お?どうしたのじゃ?」
ノア「爺! ノア怖いの、何だかとっても」
長老「どうしてじゃ? 怖い夢でも見たのかの?」
ノア「違うの! でも何だか怖いの・・・」
震えるノアに長老が、
長老「ふむ、 おぬしは普通の子とは少し違うのぉ」
ノア「えっ!やだよそんなの!」
否定するノアを見て長老は、
長老「ノア・・・お前さんならこの話しても早くはないだろう・・・」
そう言うと長老はおもむろに話し始めた。
長老「ノア、神様がこの世ためにしてくれることは何だと思う?」
ノア「うーんと、あっ! ノアがピンチになったら助けてくれる!」
長老「いや違う、神がこの世のためにしてくれることは三つだけじゃ、一つはこの世に生命を送り出すこと、そしてもう二つは・・・」
初めて聞く話にノアは真剣な表情で聞いている。
ノア「もう二つは?」
長老「警告じゃよ、ノア・・・」
ノア「警告?」
長老「そう警告じゃ、この世を破壊する何かが生まれたことを知らせるためのな・・・」
ノア「どういうふうに知らせてくれるの? 何が生まれたの?」
長老「ノア、モンスターを知っているの?」
ノア「うん知ってるよ!」
長老「警告は、そのモンスターたち・・・その中でも強大な力を持つ飛竜を通じて知らされる」
ノア「何で〜なんでなの〜?」
長老「飛竜は遠い昔から人間たちの最大の獲物とされている・・・飛竜の力は強大・・・それに立ち向かう人間たちの中から選ばれた者たちに神は警告するのじゃ」 ノアは難しい顔をしているが長老は話を続ける。
長老「神は一匹の飛竜に力を与える、その力を身に受けた飛竜は色を変え本来持っている力・・・それ以上の力を得る、それは警告であり同時にその飛竜に対峙した者たちへの試練でもあるのだよ・・」

ノア「試練?」

長老「そう、力を与えられた飛竜を倒せなければ、到底この世を破壊する何かを倒すことはできないと神が判断したのだろう、そして、その飛竜を倒し警告に気づいた者の運命は大きく方向を変えるのじゃ、この世を破壊する何かを倒す道へと・・・」 ノア「その何かって?」
その問いに長老は顔を強張らせて答えた。
長老「言い伝えでは、飛竜のさらに上を行く力を持つ漆黒の龍と体の大きさが山に匹敵するほどの龍だとされているのぉ、本当かどうかは定かではないが・・」
ノア「なんでそんな強いモンスターを人間に倒させるの?神様なんだから自分でやっつけちゃえば良いのに・・・」
長老「それはこの爺でもわからん・・・神の考えは人知では及ばん所が多いのじゃ・・・それになぜこの村の一族にこの話が伝わっているのかもな・・・」
ノア「ふ〜ん・・・ふぁふぁ〜ん」
長老の話を聞いて眠くなったのか、ノアはあくびをして長老の膝で眠ってしまった。

一体どれくらい時がたっただろうか・・・体に生暖かい風があたりノアは目を覚ます。 
ノア「あれ?」
そこには長老の姿はなく不気味な静けさだけが漂っている。
ノア「先に帰っちゃったのかな?」
そう思ったノアは村に向かって走り出す。やがて到着し立ち止まり驚愕した、村が燃えている。
ノア「ママ!パパ!」
そう叫び燃えさかる村に入ろうとするが炎が立ち塞がっていて入ることできない。 まだ幼いノアは何も出来ずにただ泣き崩れている。そんなノアの耳に奇妙な声が聞こえてきた。村の中からである。
声「そうだ・・・燃えろ・・死ね・・語りべの一族よ・・・もう邪魔はさせん・・・世界は一度壊れるべきなのだ」
その声を聞いたノアは(逃げなくてはいけない)そう思い走った、走って走って走りぬいた、その奇妙な声が耳に届かなくなるまで・・・。


そして話は現代に戻る。
ノアの話を聞いたドーンは言い知れぬ不安に駆られる。
「それで?それあとは?」
ドーンの問いに泣きそうな顔でノアは答える。
「その後、私は森の中で倒れていてメラルーとアイルーに運ばれ、気が付くと遠く離れた老夫婦の家で介護されていました、身寄りのない私を老夫婦が引き取りそして今の私があるのです・・・」
・・・・・しばし沈黙が流れた、その沈黙の中、ドーンは青いレウス・・・ソウルを倒したことで自分の運命が大きく方向を変えたということを少し感じ取っていた。 二人は猫の荷車に揺られキャンプに向かう・・・次なる戦いに歩き出すために・・・。


後に彼女達はハンターの歴史・・・いや世界の歴史に名を刻むこととなる・・・もちろん悪人としてではなく、世界を救った英雄として・・・そして時にはそれからを担うハンター達の大いなる目標として・・・それは・・・この話から8年後のことである。


【レウス討伐、完結】
















By Mind of Hunting