終わりなき戦
れうす☆はんたぁ様作
街。
世界各地のハンターが集う、世界各地の行商が集う所。
鍛冶屋からは熱気と鉄を打つ音。
品物が並べられる簡易テントからは宣伝の声。
酒場からは歴戦の猛者たちの勝利の歓声。
任務失敗の嘆きの声。
それを慰める仲間の声。
そして。
一人のハンターの死を悲しみ、嘆く声。
ハンターの世界ではいつも死が隣に居る。
外に蔓延るモンスター達と戦うときにはいつも注意をしなければならない。
気を抜いたら死ぬ。
自分だけ助かろうとしたら仲間が死ぬ。
誰も死んではならない。
戦いの中で助け合う。
時には任務を捨てて逃げるときも、ある。
そんなハンターの世界に加わる二人の少年と少女がいた。
「えっと、これでいいかな?」
少年は登録書を渡す。
「あ、私のも一緒に。」
少女が慌てて差し出す。
レジの向こうで手続きが行われる。
気の抜けた声が聞こえる。
「キア・ミズリさん。ニィ・ラズグさん。でよろしいですね?」
二人同時に答える。
「はい。」
「では、登録内容の確認をします。」
店員が面倒臭そうに述べる。
「キアさん、面倒だから上の名前だけでもいいですよね?えっと・・・
男 17歳 大剣使い ハンター歴3年 ですね?
ニィさん。
女 16歳 片手剣使い ハンター歴3年 でいいですか?」
再び同時に答える。
「はい。」
「手続き、終わりです。良いハンター生活を。」
店員はそう言うと去っていった。
キアは大剣『グレートシザー』を背負い。
ニィは片手剣『ポイズンダパルジン』を腰に付ける。
近くの机に移動する。
「最初のクエスト、どうする?」
ニィが頬杖をつきながら言う。
「ん?まずは二人、仲間を探さないと・・・」
キアはメニュー表を見ながら言う。
周りを見ると誰もが頼もしく見える。
全身『レウスUシリーズ』で固めるハンターもいれば『グラビドSシリーズ』で固めるハンターも居る。
それに比べ、二人の装備は心もとない。
キアは『ガレオスシリーズ』、ニィは『イーオスシリーズ』。
見るからに雑魚ハンターだ。
このまま二人で狩に出れば5分・・・いや、1分で死ぬことになるだろう。
「でも、私たちみたいなのと組んでくれる人居る?」
ニィがきょろきょろしながらいう。
「いない・・・かなぁ・・・」
さすがにキアも不安になってきた。
「・・・・新米か。」
どこからか聞こえる。
二人に対してだろう、『新米』という言葉で分かる。
「見るからに弱そうだな。」
「『グレートシザー』か。あいつには合わないよな。」
「新米にしては、いい線かな。」
「装備はな。実力はどうか・・・」
「ランポス一匹に50分とか?」
「ぎゃははは!!ありえねー。」
「おい、聞いてこいよ。ブルファンゴ倒せますか?って。」
「聞くまでもないだろ。もしかしたらランゴスタですらも・・・・」
「あるかもな。ぷははは!!」
キアはそれを聞いて気持ちが落ち込んだ。
ニィは机の上で拳を握っている。
顔が赤くなっている。
どれだけ腹立たしいのか、キアにも分かる。
キアは抑えられなくなった。
「うるっせぇ!!少しは黙ってろカスがぁ!!」
酒場の空気が凍りついた。
陰口を言っていた中の一人が立ち上がる。
「カスはどっちだ?あ?」
そのハンターは全身『ディアブロシリーズ』だった。
「お前等の事を言ってんだけど?」
キアも喧嘩腰になる。
「自分の身分をわきまえろ。新米は黙って特産キノコとっとけばいいんだよ!!」
ハンターの方もそうとう切れている。
「はいはい。ご指導有難うございますキノコ博士様。」
キアは殆ど無意識に言葉を吐いていた。
「なんだと!!」
ハンターは立掛けてあった『ジークリンデ』を引っ掴み、それを向けてくる。
キアも自分の武器の柄を掴む。
ジークリンデが振り下ろされる。
キアはグレートシザーで防ぐ。
衝撃に耐え切れずキアの手から武器が離れ、転がった。
再び振り下ろされる。
キアは目を瞑った。
ニィの悲鳴が聞こえる。
ヴゥゥゥゥンと大剣の空を裂く音が聞こえる。