終わり無き旅路
ムチウチ三世様作
終わり無き旅路-1
終わり無き旅路-1
つまらない。
つまらない。
一人のハンターは心の中で同じ言葉を繰り返す。
彼は英雄だった。
シュレイドの住民は誰もが認める程。
伝説の黒龍を倒し、街を救ったのだから。
つまらない。
ツマラナイ。
なにがつまらないのか、自分に問う。
__ハンターとして、余りに強く成りすぎたから。
どんな飛竜も、最早取るに足らない。
、、、飢え。
終わりの無い飢えが、この英雄を支配していた。
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或る日、王立の研究者が彼を呼んだ。
「よく来たね、待っていたよ。」
英雄は少し緊張していた。
シュレイド城に入る事など、初めてなのだから。
ハンターという職は、王国から非公認なのである。
伝説の黒龍を倒したときも、なんのお呼びも名誉も
受ける事は無かった。
「こんなとこに呼び出して、何の用でしょう?」
英雄は少し突き放した態度で言う。
この城に文句がある事からだろう。
「そう怒らずに聞いてくれ。」
研究者は極めて冷静に言った。
「これは君にしか頼めない事なんだ。」
英雄は顔をしかめる。
今まで同じ言葉を何度聞いただろう。
、、君にしか頼めない。
英雄に祭り上げて、利用出来るならする。
つまらない。
こいつもその程度の奴だろうと思った。
「それはなんでしょう?」
そう思ったから、やはり冷ややかな態度をする。
「うん、実はね。新種の飛竜を発見したんだ。」
!?
英雄は目を大きく開けた。
「それで君に、調査と討伐依頼をしたくてね。」
「本当なんですか?」
「本当さ。今までに類を見ない新種だ。」
今、英雄の体は震えている。
恐怖とかは一切ない。
興奮しすぎて武者震いしているのだ。
まるで童心の頃のように、心臓が鼓舞する。
ああ、ああ、戻ってきた。
英雄になる前の、純粋なあの頃のハンターが。
「勿論。いや是非!行かせて下さい!」
こうして、新たな扉が開いた。
、、おもしろい。
面白いじゃないか。