新たなる記憶 〜もう一つの物語〜
Masaki様作





序章・物語の扉




皆は憶えているだろうか?




記憶の片隅に残った英雄

ドーン、ノア、レイス、ベルネス、ミズチ、リオ、ガルサ、ディスタ・・・。

そしてガンス一族

ジェイ、レイ、伝説の獣に挑んだ二人

その血を受け継ぐ第三の英雄

物語の扉は静かに開く


壱章・第三の英雄


〜レストンシティ民家〜

「クソ親父!わからずやじゃん!!」
金髪の茶色い肌の男がさけんだ。
周りの家具は粉砕されていて男はデカイ荷物を持っていた。
口からは血をたらし、体中傷だらけだ。
向かいにはハゲのこげ茶の肌をしてる男がいた。こちらも傷だらけだ。
「分かってたまるか!ドラ息子!!」
男が金髪の男を殴りつけるがヒョイとかわされる。
「ジェイ!俺はもう14だ!!ハンターになってもいいだろ!!??」
ジェイは怒鳴り出した。
「親を呼び捨てにするな!!怪力は認めるがだめだ!!!お前には早過ぎる!
 せめてあと一年修行しろロウド!!!」
ロウドは悪態をついた。
「それで一年後はまた延長じゃん?冗談じゃない!!俺は今すぐ出て行く!!!」
そう言うとロウドはジェイの腹に一撃いれた!!!
「うっ!・・・・。」
ジェイは倒れ、母親クレアスはショックで気絶していた。
ロウドは家にある武器の一つのクリムゾンブロスを背負い、バトル装備を荷物に
いれて家を後にした。
目指すは隣国ロウィットの首都『エスニボック』
このロウドこそ第三の英雄であり、ジェイの息子である。
本名 ロウド・ガンス・ルヴァ
14歳にして親おもこえる怪力の持ち主である。
家を後にして街を出て国境の森に入った。
ランポスなどがいる森だがロウドは気にしなかった。
ロウドにとってランポスなどは眼中に無い。

            しかし

ロウドにも苦手な奴がいた。
そいつがいると足がすくみ、悲鳴を上げられずにはいなくなる。
だが、今は腹減ってそれどころではない。食料探しを始めたロウド。
そのモンスターが後ろに迫ってると知らずに・・・。
「お!!これは釣りバッタ!!!いただきじゃん!!!!!」
ロウドはバッタを捕まえると近くに河が無いか探した。
あいにく河は無かったが小さな池があったので釣りを始めた。
・・・・・・5分
・・・・・・・・・10分
・・・・・・・・・・・・30分
「きたじゃん!!!!!フィーーーッシュ!!!!!!」
釣れたのはサシミウオ。
早速、クリムゾンブロスの先で薪を刺した。
すると、薪は炎をあげて燃えだしたのでサシミウオを枝に刺して焼いた。
7分後、こんがりと焼けたサシミウオができた。いわゆる『こんがり魚』だ。
「いただきますじゃ〜ん♪♪」

          その時あいつが来た。

        ロウドの苦手なあいつが!!!


弐章・猫と森とエスニボック


こんがりと焼けたサシミウオの匂いにつられ、嫌な奴が来た。
全身が白い毛で覆われている猫・・・・そう、アイルーだ!!
「ニャアアアアアアアァァァァ♪」
「ん!!?・・・・・ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
アイルー相手にマジでビビッているロウド。
アイルーはそのまま恐怖で硬直しているロウドの手からサシミウオを盗って
サシミウオの油のついたロウドの手を舐めた。
硬直したロウドの背中に悪寒が走り、なんと白目むいて気絶した!!

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四年前の夏、レストンシティ郊外の森で散歩してると一匹のアイルーに会った。
当時のロウドは怖い物なしのやんちゃ坊主であった。
「あ!かわいいじゃん!!!おいでおいで♪」
アイルーは警戒しながらも、ロウドに歩み寄っていた。
ロウドがアイルーに触ろうと手を伸ばしたとき、ロウドは体勢崩してアイルーに
圧し掛かってしまったのだ!
 
ゴツン!!

鈍い音と共に、大きなたんこぶがアイルーの頭にできた。
「ニャアアアァァァァァ!!!!(泣」
アイルーはひと泣きするとロウドを睨みつけた。
そしておもむろに何か取り出した。
それは・・・・大タル爆弾G!!!
点火された爆弾はロウドに向かって投げられた!!!!!!


その後、奇跡的に旅人に発見され、診療所に連れて行ってもらい
一命を取り留めたがそれ以来アイルーの事がトラウマになったと言う・・・。

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目が覚めると民家で寝てた。
「あら?目が覚めたのかしら?」
そこには黒のポニーテールの20代くらいの女がいた。
女はロウドのおでこに乗せてるタオルを氷水につけておいたタオルと換えた。
「あなた森で倒れていたんですよ。運良く私が通りかかったからよかったけど
 あのままだとランポスの餌になってたのよ。」
やっと頭がはっきりして状況を整理したところで問いかけた。
「ここはどこじゃん?あなたは・・・。」
「私はミリカヤ・キャシー。ここは商業都市エスニボックよ。」
笑顔でゆっくり言ってくれたおかげで大分、頭が整理できた。
ところで、とキャシーが質問してきた。
「あなたなんで倒れていたの?それにあのクリムゾンブロス。
 あなたハンターなの??」
ロウドは赤面しながら言った。
「ハンターになろうとこの街に来る途中、アイルーに遭遇して気絶した・・・。」
キャシーは吹き出して笑った。
「あははははは!!!あなたアイルー苦手なの!!?おもしろーい!!
 気に入ったよ!あなたここに住まない!?一応ここゲストハウスなの。
 私の経営してるんだけど一ヶ月4000zで住まない??
 ちなみにルームルークね♪」
普通ルームルークなら一日200zで一ヶ月は6000zなのでかなり安い。
「じゃあお言葉に甘えるじゃん。よろしくお願い致しますじゃん。」
「うん。よろしくね♪」


参章・ギルド『デビルナイトメア』&『ホーリーエンジェルス』


エスニボックは巨大な商業都市。
今日もこの広大な街にはギルドは7つある。
しかし、その内の5つは小さくて潰れかけている。
そんな都市に三日前から住み初めているのはロウド・ガンス・ルヴァ。
今日はギルド登録に来ていた。
「何か良いギルドないじゃんかな?」
そんな時、一つの壁紙が眼に入った。

           ホーリーエンジェルス
      一緒に汚れた悪のモンスターを倒しませんか?
          我々にはあなたが必要です
        あなたの入隊をお待ちしております
            只今の総人数6人
          場所・酒場『ミカエル』

「お!これはギルド登録の広告じゃん!!」
早速と言わんばかりにバトル装備を揺らしながら走り出した。
そして着いたのは何とも純白の酒場であった。
中に入るとワインをグラスで飲んでる一人のハンターがいた。
そのハンターはこちらを見ると近寄ってきた。
長身で色白で茶髪の男で背中には透き通る様なエンピタフプレートがあった。
「あなたここのギルドの人じゃないよね。」
「俺、ここのギルドに入りたくて来ましたじゃん!!!」
次の瞬間、男はロウドを掴むと、店の外に追い出した。
勢いよく地面に落ちて、頭を打った。
「あなた貼り紙みたの!?上品な人以外はダメです!!」
男はバタンと扉を閉めた。
「いてーじゃん!!畜生!!!!」
ロウドはむなしく悪態をついた。
その時、二十代後半くらいの女が来た。
色黒で背は普通ぐらいで髪は黒、背中に炎剣リオレウスを背負っている。
「あんた馬鹿?ここは色白のキモイ奴らくらいしかはいれないんだよ!!?
 それにしてもいい体つきだねぇ。
 どうだい!あたいの『デビルナイトメア』に入らないかい!?」
ムッとしたロウドが答えた。
「急になんじゃん!?俺はギルド探してるけどあんたの所行く気は・・・。」
そう言った所で女はロウドの髪を掴んで連れて行った。
ロウドは必死に踏ん張ったが女の異様な怪力には勝てなかった。
「ギルド探してんなら話は早いね。あたいはゲルザック・レイナ。
 デビルナイトメアで隊長やってるんだ。
 入隊試験に合格したら入れてやるよ。」
「まだ入るとは言って無いじゃん!!離せ!!」
あざ笑うかのように耳元でレイナは告げた。
「ホーリー以外のギルドはあたいのとこしかないよ。他のギルドは壊滅寸前だ。
 そもそもここにはあまりハンターいないし。
 つまり、あたいのとこに入るしかないよ。」
「え!!!そんな・・・・。」
「おや。やっと観念したね。じゃあ、あたいの酒場へGO!!!」
レイナはそのまま放心状態のロウドを酒場へ連れて行った。


四章・怪力狩人の酒場


レイナに連れられて着いたのは港近くにある酒場で、
大きさはかなりデカく、外壁に紅で『魔人の酒場』と書いてある。
入ると二人のハンターが向かい合って座って酒を飲んでいた。
似たり寄ったりで二人ともゲリョス装備で右の方はバインドキューブ、
左の方はブレスコアを背負っている。
二人ともハゲで茶色っぽい肌でかなりゴツイ。
右の方はレイナを見たら大声を出した。
「よう!姉御!!!新入りですかい!!?」
「そうさドング!こいつに鉄の試験受けさせてやろうと思ってな!!!」
ガハハハハっと左の男が笑った。
「そいつはいいぜ!!!このバング様が手伝ってやるぜ!!!」
そう言うと酒場の奥へ消えた。
数分後、大きさ1u、厚さ50cmはある鉄板を取り出してきた。
それを一人で持ち上げて運んでいる。
置くと同時に地響きが酒場に響き渡る。
「こいつをへこませたらいいんだよ!!!そしたらあたいのこのギルドに
 入れてやるよ!!」
ロウドはふうっと力を抜くと構えた。
「へこませるんじゃん?」
そう言うと思いっきり!!鉄板を殴った。
鉄板の後ろにいたバングは見てビックリした。
なんと鉄板から手が突き出ていて今にも鼻に届きそうだ。
「わりぃじゃん!風穴が開いちまった!!」
レイナは大笑いしていた。
「凄いよ!!!みくびってたねぇ!いいよ入っても!!
 怪力ならバングとドング並だねぇ!!!でも・・・。」
そう言うとなんとレイナは鉄板を殴った。
もの凄い音がしたが鉄板は全然何とも無い。
「まだまだ・・・。」
次の瞬間、鉄板に亀裂が走り、鉄板は粉々に砕け散った!!!!!
「まだまだ、あたいには及ばないね!!」



その日、ロウドは口が開いたままだったという。


五章【前】・好敵手現る!!


デビルナイトメアに入ってから一週間。
ロウドはランポスやゲネポスの駆除をしている。
レイナたちはレウスやレイアなど飛竜ども相手にしている。
ロウドは飛竜を倒したかったが、レイナたちはまだまだ狩らせてくれない。
今日のロウドは市場へ買出しに来ていた。
ジーパンにランニングシャツという格好で歩いている。
この買出しはキャシーに頼まれたものである。
「え〜と、何買えばいいんだろうかじゃん?確か紙に書いてあるはず・・・。」
ロウドはポケットから出したしわくちゃのメモ紙を見た。

          ●兜ガニ 2匹
          ●ふたごキノコ 1個
          ●ポポ肉 300g

「さっさとすまして帰るかじゃん!!!」
まずは兜ガニ探した。
魚専門の食材屋の水槽にはサシミウオやオンプウオなどが泳いでいる。
奥には、いきのいい兜ガニがいた。
それを買うと次はふたごキノコを買いに行った。
メインストリートを抜けてキノコ専門の食材屋に行くと
その店頭には色んなキノコがあった。
その奥にはふたごキノコがあったので一番でかいのを探した。
そして、一番でかいキノコに手をかけたその時!!
「てめぇは隣の家のロウド!!!こんなとこで何してやがる!!?」
え!?っと振り返った先には茶髪のロウドと同い年くらいの奴がいた。
「あ!てめぇはクソ野郎のマサキじゃん!!!何してやがるじゃん!!?」
マサキは鼻で笑うと誇らしげに言った。
「俺はハンターになったんだよ!!」
ロウドはビックリしながら言った。
「はぁ!!?てめぇもハンターになったのかじゃん!!?」
マサキもビックリして言った。
「てめぇもハンターになったのか!!!?怪力馬鹿のお前がか!?」
「てめぇだって速攻馬鹿だろうがじゃん!!!」
「誰が馬鹿だ!!勝負しやがれこの野郎!!!!」
辺りは野次馬が円になって見ていた。
その円の中で二人の餓鬼が喧嘩を始めた!!!
第五章【後】・ランサーVS双剣士


二人の戦いは餓鬼の喧嘩とはかけ離れていた。
一糸乱れぬ攻防の連鎖。
勝負は互角に思えた。
だが、ロウドの方が一枚上手であった。
ランサーであるロウドはステップの良さとリズミカルな攻撃で確実に当てている。
それに対し双剣士マサキは手数の多さと踊りのような乱舞で攻めているが攻撃力の少なさと命中率の悪さで致命傷は与えられていない。
「息がキレてるじゃん!やっぱり速いだけの男じゃん!!」
ロウドはあざ笑うかのようにマサキに告げた。
「ちきしょうめ!!これでもまだ笑っていられるか!!?」
そう言うと、周りの野次馬をはらい、後ろに下がると気合を入れた。
その時、紅き闘気が身を包み、鬼人と化したマサキ。
次の瞬間、ロウドの横腹に重い一撃を入れた!
その攻撃力と速さは前のマサキの比ではなかった。
膝をつき、横腹を押さえるロウド。
「鬼人化は長くは持たないからさっさとケリを付けさせてもらうぜ!!!」
「けっ!・・だが、パワーでは・俺のほうが・・・上だ!!!!」
ロウドは起き上がると間合いを取り、いがみ合う。
おそらく、次の攻撃で勝負は決まるだろう。
周りでは野次馬どもが固唾(かたず)を呑んで見守っている。
そして、風が吹くと同時に二人は攻撃に移った。
刹那の時、片方の攻撃が当たった。
攻撃をくらったのはロウドだった。
マサキの蹴りが足の筋肉に強い衝撃を与える。
力なくロウドは倒れた。

〜勝負あった〜

近くにいた誰もがそう思っただろう。
しかし、ロウドは立ち上がった。
ロウドは今、立っているのがやっとであろう。
だが、男としての意地がロウドを奮い立たせていた。
その時、マサキは鬼人化で息切れを起こしていた。 睨み合って止まる二人。
最後の攻撃を今かと待っている野次馬。
あたりは無言と緊張が渦を巻いていた。
しかし、その渦は速すぎる二人の攻撃でかき消された。
両者の腕は共に相手の顔面を捕らえている。
二人ともフラフラっと気を失った。


「う〜ん・・・。は!ここは!!?」
ロウドは見慣れた部屋に寝ていた。
散らかった玩具に家具。石造りの家の一室。
そう、そこはゲストハウスのルームルークだった。
その時、キャシーがノックして入ってきた。
「おや、お目覚めかい?ずいぶんとやりあったねぇ。」
呆れ顔のキャシーはロウドに言った。
「まあ、傷は大丈夫そうだね。飯はそこに置いておくから腹減ったら食べるんだよ。」
傷・・・ハッとしたロウドは自分の顔を触る。
ふいに痛みがロウドを襲った。
その後、鏡を持ったロウドは自分の顔の傷を確かめる。
鏡に映った青黒く腫れた頬はなんとも痛々しい。
「あ!そういえば相手の子にもそんな傷できてたねぇ。」
部屋を出かけたキャシーがボソリと言った。
マサキの出現・・・それはロウドにとってライバルの出現であった。
おそらく、先ほどの喧嘩から実力は互角である事がわかった。
ならば強さを変えるのはハンターとしての経験!
『絶対に!!負けてたまるか!!!!!!』
そう密かに思い、飯に食らいついた。


ハンターとして負けられない思いがロウドを高みへと導くだろう。
マサキという好敵手の存在はこれから大きくなっていくだろう。
そして大きな敵もでてくるかもしれない・・・。


第六章・ハンターキラー


あの喧嘩から時は過ぎ、顔の腫れも引いて
今はクックやドスガレやザザミを倒している。
近頃、ハンターキラーというのがいるらしい。
街の中でハンター惨殺しているモンスターだ。
ハンターキラーが何のモンスターかは分かっていない。
今、街は混沌の渦に包まれている。

〜とある日の午後〜

混沌の渦があってもこの酒場には関係ない。
今日はレイナの誕生日ということでみんなで酒を昼間から飲んでいる。
そしてテーブルにはオッタマケーキやモスライスなどの料理が並んでいる。
「おめでとうごぜぇやす!姉御!!」
コング兄弟の声が同時に酒場にこだまする。
「おめでとうございますじゃん!レイナさん!!」
一足おくれてロウドの声もこだまする。
酒場の真ん中にはほろ酔いのレイナが満足げに飲みまくっている。
「いやぁ!誕生日っていつきてもたのしいもんだねぇ!!」
宴会は夜になっても続いていた。
酒場の中には陽気な歌が響いている。
「俺たちゃ狩人〜♪怪力自慢〜♪魚竜も火竜もこわくはないぜ〜♪やほ〜い♪」
少々ドスの聞いた声ではあるが皆楽しそうだ。
その時、宴会の楽しい空気を切り裂くように一人の男が倒れこんできた!
「た・たすけてくれぇぇぇ!!!!」
男は折れた太刀を背中に背負って防具は大破していた。
傷口からは夥しい血を流していて苦しそうだ。
駆け寄ったレイナは何処のハンターか分かっていた。
「あんた!!ホーリーエンジェルス副長じゃないか!!なにがあったんだい!?」
男は虫の息だが最後の力で重い口を開いた。
「ハンターキラーに…襲われた。うちの・・ギルドは・・壊滅してしまった。」
そして、おぞましい事を口にした。
「ハンターキラーは…テオ・テスカトルです!」
そう言うと男は死んでしまった。
酒場には重たい空気が漂っていた。
















By Mind of Hunting