新たなる世界
ヒロ様作
プロローグ
第一章
第二章【前編】
第二章【後編】
ヒロ
【-プロローグ-】
私はディオン・フラーゼン。王家お抱えの騎士団、王立騎士団の部隊長を務めていた。
弱冠18で部隊長に選ばれたのは異例の事らしく、天才と呼ばれていた。
そのせいか王家にも期待され、ある時特別な任務を与えられた。
俗にモンスターハンターと呼ばれる者たちの活動を支える<ハンターズギルド>
をハンターになりすまして調査・監視するといった内容で、
前々からわがまま王女の依頼で、あの恐ろしい火龍リオレウスを捕獲してくるなどといった、
私にとって明らかに無理難題と言える依頼を軽々こなす彼等の事が気になっていた
私はすぐに任務を受け、すぐさま準備に取りかかった。
ある種の期待と彼等への畏怖を抱きながら・・・
【第一章】
王から任務をいただき、その準備をしていた。すると・・・
??? 「お〜い、ディオ〜ン!!」
息を切らせながら男が駆けて来た。
ディオン「何だキールか、どうした?そんなに急いで私に何か用か?」
キールと呼ばれた男は声を弾ませながら、
キール 「すごいじゃないかディオン!!聞いたぞ!王家から直接任務をいただいたんだって?
で、どういう任務なんだい?聞かせておくれよ!!」
この男はキール・ト−ルギス、年も一緒で私の唯一の親友と呼べる男だ。
少し臆病で、気も弱いが、優しくおだやかな性格だ。
そして弓の腕はなかなかの物で私もこいつには勝てない。
ディオン「ハンターズギルドの調査・監視だ。」
キール 「ふむふむハンターね・・・ちなみに聞くけど何のハンター?」
ディオン「おかしな事を聞くやつだな。モンスターハンターに決まっているだろう?」
キールは信じられないといった様子で
キール 「ディオン、正気かい?モンスターハンターといえばついこの前第三王女の依頼で
あのリオレウスを引きずってきたような、およそ人間とは思えない野蛮人じゃないか!
そんな奴らの調査なんて危ないよ!!」
ディオン「しかし断る訳にもいかんしな。それに危険な分だけやりがいもあると思う。」
キール 「なら僕達もしばらくお別れだね・・・」
ディオン「・・・」
-沈黙-
ディオン「キール、お前もいっしょにこないか?」
キール 「え・・・?」
ディオン「正直私もこの任務一人では心細かった所だ。それにハンターに紛れ込む為にもお前の弓は心強い。仲間がいた方が自然だしな。」
キールはブンブンと横に頭を振りながら
キール 「無理無理!!僕には無理だって僕はディオンみたいに勇気もないし、きっと足手まといになってしまうよ・・・」
キールはうつむいてしまった。
ディオン「そうか・・・それならしかたない。まあ今すぐに決めてくれなくてもいいんだ。
出発は明日だ。できればついて来てほしい、だがあくまで自分で決めてくれ。」
キール 「ディオン!!」
振り向かずに私はその場を後にした。
武器の点検から物資の準備までやる事はたくさんある・・・。
そして次の日の早朝。支給された馬車に荷を詰め終わり、ディオンは愛用のナイツサーベルを磨ぎながらキールを待った。
ディオンは騎士のものとは違う軽鎧に身を包み、準備万端だ。しかしキールが来ない。
馬車の兵士「ディオン様そろそろ出発のお時間です。」
ディオン 「もう少し待ってくれ、キールが来るんだ。」
馬車の騎士「私の仕事はあなたをミナガルデまでお連れする事です。来るかわからない輩を待つ事ではありません。」
ディオンはしばらく考えてから
ディオン 「分かった。済まなかったな。」
兵士にも自分と同じく仕事があるのだと自分に言い聞かせながら、ディオンは馬車に乗り込んだ。
キールが来るかも知れないと、ずっと町を見つめながら・・・
【第二章】
ミナガルデまで後少しという所まで来た。
ディオンは馬車に揺られながらキールの事を考えていた。
(あいつはどうして来なかったのだろう?)
(あいつは私を裏切ったのか?)
そんな事を考えて、ボーッとしていたら。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!」
その声と同時にディオンは馬車から躍り出た。声の主の兵士は首から血を流して転がっていた。
そしてランポスが3匹、馬に襲い掛かっていた。
まだこちらには気付いていないようだ。
ディオンはサーベルを抜き、1匹目を斬り付けた!!
「ギャアアアアア!!!」
(何ッ!!堅い!)
ディオンの鋭い剣撃はランポスの肉を裂いたものの堅い鱗に阻まれ仕留め切れず、
逆に自らランポスに見つかる結果となってしまった。
「ギャア!!ギャア!!」
ランポス達はすぐさまディオンを取り囲み、臨戦体勢に入った。
(ランポス・・・聞いた事があるぞ。一体一体は強くないが連携攻撃を仕掛けてくる。
ハンターにとっては雑魚であると・・・)
ランポスが飛びかかって来た。ディオンはそれを剣で受け止め、ランポスを弾き返した。
(ならば当然私も倒さねばなるまい!!)
「おぉぉぉぉぉぉぉ!!」
気合いと共に手負いのランポスを切り捨て、先程弾き飛ばしたランポスを突き殺した。
最後の一匹はなにやら鳴いている。
ディオンはそのまま突っ込み、力任せにサーベルを叩き付けた。
グシャッ・・・
鈍い音と共にランポスは鳴き止んだ。
ふうっと一息つくディオン。
「このような対人用の剣ではこんな雑魚にも歯が立たないな・・・」
とりあえず兵士を葬り、それから徒歩でミナガルデに向かう事にした。
しかしディオンはまだ気づいていなかった。
最後のランポスが放った断末魔の悲鳴は彼等のボスに届いていた事を・・・
【後編】
ディオンは、ようやくミナガルデまで丘を越えれば着くという所まで来た。
しかしさすがのディオンといえども、慣れないモンスターとの戦闘、
重い荷物を持っての行軍という事が続き、かなり消耗していた。
ディオン「あと少しでミナガルデだ・・・。あの丘を越えれば・・・。」
しかし丘の上には大きな影が立ち塞がっていた。
ディオン(あれはなんだ・・・?ランポス・・・?いや違う!!大きい!?)
丘の上ではドスランポスがディオンを静かににらみつけていた。
太陽を背にしている為、表情は読み取れないが、ハッキリとした殺意を感じた。
ディオン「やるしかないか・・・。」
ディオンはスラリと腰のサーベルを抜いた。
それと同時にドスランポスが大声で一際甲高く鳴いた。
すると3匹のランポスが何処からともなく現われ、ディオンを取り囲んだ。
ディオン(先ほどと同じ形か・・・ならば!!)
ディオンは疾風のごとく切れない剣をランポスに叩き付け、1匹を切り捨てた。
虚をつかれた他の2匹はもはやコンビネーションを発揮する事なく、ディオンの手によって各個撃破された。
そのままディオンはドスランポスの方に身を翻し、切り掛かった。
ドスランポスも姿勢を低くして反撃の体制に入っていたが、ディオンの方がわずかに速い!!
ディオン(もらったぁ!!)
ドスランポスの首を捉えた刹那。
「ガッキー−ー−ーン!!!!」
イヤな音が響いた。サーベルが完全に折れたのである。
そのまま前のめりになったディオンをドスランポスは容赦なく切り裂いた。
ガシュッ!!
着ていた鎧は何の役にも立たず、深く背中を切り裂かれた。
致命傷を受けてしまった。
ディオンはそのまま丘を転がり落ちた。
ディオン(こんな所でオレは死ぬのか?)
ドスランポスが近づいてくるのがわかる。
ディオン(すまない・・・みんな・・・キール・・・)
ドスランポスがこちらを見下ろしている。
ディオンは眼をつぶった。
ディオン(・・・?)
何やら地面が揺れている。
そして次の瞬間
ギャアァァァッッ!!!!
ディオンが眼をあけるとドスランポスの眼に矢が突き刺さっている。
???「ディオン!!!」
声の方に眼をやるとアプトノスの馬車がこちらに走ってくる。
車の上で弓を構えるキールがいた。
そしてドスランポスに向かって3本一気に矢を放った。
ドスッドスッドスッ!!
ドスランポスはディオンからはなれた。
キールは馬車から飛び下りディオンに回復薬を飲ませた。
キール「大丈夫かい!?ディオン!!」
ディオン「ああ・・・なんとかな・・・」
キール「ここで待ってて・・・ここは僕が引き受けた!!」
自分の足が震えている事にキールはさっきから気付いていた。
しかし逃げ出す事は出来ない。自分の後ろには傷付いた親友がいるのだ。
キールは叫んだ。
キール「この青とかげ!!僕が相手だ!!!!!」
キールの矢で傷付いたドスランポスは怒りをあらわにして今にも飛びかかろうとしていた。
するとそこへ・・・
???「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
キール「うわぁぁぁぁぁぁ!!!なにっ!?なんなのさ!!」
丘から背中に大きなやりを背負った女が落ちて来た。
キール「お・・・女が降って来たァァァァ〜〜〜!!」
???「なによ!!うるさいわね!ちょっと足を滑らしただけよ!!」
キール(このコ・・・もしかして・・・ハンター!?)
???「何か騒がしいから来てみたら、なによただのドスランポスじゃない。まったく人騒がせな。」
するとドスランポスが彼女目掛けて襲い掛かって来た。
キール「あっあぶない!!」
彼女は背中のランスに手をやり、突き出した。
ドスランポスはその一撃をまともに浴び、吹き飛んで絶命した。
???「イッチョ上がり♪」
キールとディオンはポカンと口をあけ、顔を見合わせた。
ディオン「くっ・・・ここは・・・?」
???「ここはゲストハウス。ハンターの宿舎みたいな所ね。」
ディオン(・・・?女の声・・・?)
???「キールく〜ん、彼気が付いたよ〜。」
キール「ディオ〜〜〜〜ン!!!大丈夫!?僕がわかる!?」,
ガクガクと身体を揺さぶられ見る見るうちにディオンの顔色が青くなる。
???「ちょっ!!キール君ストップ!ストップ!彼、また倒れちゃうよw」
ディオン「・・・ガクッ(涙)」
キール「ディオ〜〜〜〜ン!!!(叫)」
ディオン「殺す気かよ・・・」
とまあそんなこんなでミナガルデに着いた一行。
酒場にて。
酒場にはハンター達がうち鳴らすジョッキの音と酒のにおいに満ち、活気があった。
ディオン「あんたが助けてくれたのか・・・。礼を言う。」
???「まぁ相手がドスランポスだったからねw私もリオレウスとかだったら逃げてたよw」
ドスランポス・・・ランポスのボスとは言え、やられそうになった自分をディオンは恥じた。
???「あっ自己紹介しとくねw私はフィナ、フィナ・ハイデルシーク。よろしくね♪ディオン。」
ディオン「あぁよろしく頼む。」
フィナ「さっそくだけどひとつ聞いていい?あなたたち騎士だよね?騎士様がこの町に何の用?」
いきなり痛い所を突かれた二人。
キール「えっとね・・・その・・・」
ディオン「国王に嫌気がさしてな。」
キール「!?」
ディオン「騎士として忠誠を誓ってきたが最近の国王は眼に余る。だから騎士を止めハンターになろうと思ってな。」
フィナは黙って聞いていたがさっきとは別人のようなきつい顔でこっちを見ている。
フィナ「一応話の筋は通ってるね・・・。まぁいいや。私が気にしてもしょうがないしw」
とりあえず場が和んだ。
フィナ「ハンターになりたいんだよね?だったらあそこにいるギルドマスターに話をつけてきなよ。あのちんちくりんがこの町を牛耳ってるからさw」
マスターは片目でこっちをジロリとみていた。
ディオン「あなたがギルドマスター?」
マスター「いかにも。おぬしらは元騎士か。まぁよい来るもの拒まずじゃ。この紙に必要事項を書け。」
その紙には名前、性別、年齢、希望する武器を書く欄があった。
フィナ「武器はあなたたちの勝手で決めていいけど、私が見た感じ、ディオンは大剣、キールはボウガンがイイと思うよw特にキールの弓の腕は凄かったから是非おすすめw」
キールは顔を赤くしながらボウガンかぁとつぶやいていた。
結局二人ともフィナの言った通りの武器にした。
マスター「これでおぬしらもハンターじゃ。ハンターランクは1じゃがな。」
フィナ「んじゃ武器でも買いにいこうかw今マスターに言われたんだけど私当分の間あなた達と組む事になったからよろしくね♪」
やっとハンターとしての日々が始まる・・・。
つづく